先制されたフランスは静観する姿勢から一転して怒りを露わにしたが、スペインの守備を崩してウナイ・シモンのゴールを脅かすには至らなかった。スペインはロドリを軸に中盤の主導権を握り、ファビアン、ダニ・オルモ、バエナが前線に顔を出した。
大会最強の称号を得ていたライバルを前にしてもデ・ラ・フエンテ監督のプランにブレはなく、ベルギー戦と同じ先発メンバーを送り出した事実はチームの強い個性と自信を示している。スペインが構築した戦術的なメカニズムは非常に特殊であり、その結果としてペドリが先発から外れた。バルセロナでゲームメーカーとして君臨するペドリは、絶対的な存在であるロドリとまだ十分に共鳴し合っていない。
ボールを保持して試合をコントロールし、フランスが狙うトランジションを防ぐ必要があるチームにおいてペドリのベンチスタートはリスクにならなかった。スペインは中盤を支配して丁寧にパスを繋ぎ、エムバペをはじめとするフランスの強力な4人のアタッカーに決定的な仕事を許さなかった。
個の力に頼るフランスは機能せず、スペインの組織的なフットボールの前に屈した。少ない機会で眩い輝きを放っていたのはヤマルであり、狭いスペースで躍動していたのはダニ・オルモだった。
2点目の場面でもダニ・オルモがその能力を示してペドロ・ポロと見事なワンツーを成功させた。サイドバックのポロが決めたこのゴールは、90分間にわたって相手より一歩早くボールに反応し続けたスペインのポゼッション力と予測力の結晶でもあった。
フランスはピッチ上で完全に迷い込み、ウナイ・シモンの守るゴールから遠ざけられた。終盤にデ・ラ・フエンテ監督の交代策によって中盤の優位性をさらに高めたスペインは戦術面でもフィジカル面でも相手を圧倒し、文句なしの勝利を収めて決勝進出を決めた。
文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸
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