ウクライナがモスクワに大規模攻撃を仕掛け、製油所が炎上した=2026年6月(写真:ロイター/アフロ)

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製油所被害と原油価格下落のダブルパンチ

プーチン大統領への逆風強まる

 ウクライナによるロシアの製油所への攻撃は激しさを増す一方だ。

 ウクライナ軍参謀本部は7月6日、ロシア石油大手ガスプロムネフチ傘下で西シベリアにある同国最大のオムスク製油所をドローン(無人機)で攻撃したと明らかにした。同製油所は、ウクライナ支配地域から約2700キロメートルの距離にあり、ウクライナによる攻撃としては過去最長のものだ。ロシアの地元当局も攻撃を確認した。

 ウクライナの攻撃により、世界有数の産油国であるロシアが、深刻な燃料不足に陥る異例の事態となっている。

 ロシアの大半の地域で6月以降、ガソリンや軽油の購入量を制限する措置が導入されている。供給不足によって給油所では燃料切れが頻発し、一部の給油機には「使用不可」の表示が掲げられているほどだという。

 プーチン大統領は6月下旬、市場安定化に向けた対策を講じる考えを示し、ロシア当局も物流面の問題に対応しているとして冷静な対応を呼びかけた。

 ロシア政府は海外から燃料を調達せざるを得なくなっている。

 ロイターは1日「ロシアはインドから海上を経由してガソリン輸入を開始した」とする業界関係者の話を報じた。ロシアは6月からベラルーシから鉄道でガソリンを輸入しており、日本からの調達も検討しているとの報道もある。

 だが、市民生活への悪影響は避けられない状況だ。

 独立系世論調査機関レバダ・センターが実施した6月の調査で、ウクライナによる長距離ドローン攻撃と燃料問題にロシア国民が最も注目していることがわかっている。

 ウクライナの製油所攻撃はロシア経済にも暗い影を投げかけている。

 ロシア中央銀行のザポトキン副総裁は6月29日「燃料部門が数カ月間にわたりフル稼働を下回る事態となれば、今年の国内総生産(GDP)をある程度押し下げることになる」との見解を示した。6月前半のガソリン生産量は前年に比べて25%減少しており、燃料不足に起因するインフレなどが経済の足を引っ張るというのが理由だ。

 中銀は6月中旬、主要政策金利を14.25%に引き下げた。景気を刺激する狙いだが、インフレが再燃することになれば、さらなる利下げは困難だろう。

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