日常的に医療のサポートが必要な「医療的ケア児」は、災害で停電が起きた場合、命の危機に直結します。安全に避難できるよう、家族や地域の人たちが手順などを確認する訓練が、佐賀県武雄市で行われました。

朝永海羽(ともなが・みう)さん(14)は、脳や心臓などの疾患により寝たきりの状態です。たんの吸引や血中酸素飽和度の確認が必要なため、災害などによる停電は命の危機に直結します。

訓練は武雄市が企画し、大規模な地震により道路が寸断し、車で避難できない場合を想定したものです。

父の渉さん、母の幸枝さんのほか、地元の自治会や市の職員などおよそ30人が参加しました。

徒歩での避難の手順や、必要な支援を確認することが目的です。

■母・幸枝さん
「気管切開をしていて吸引が必要なので、吸引器のセットです。それと、酸素ボンベを1台(バギーに)載せています。」

■父・渉さん
「海羽の体重が約25キロ、バギーも合わせると約70キロなので、到底1人で持つことは無理です。」

医療的ケア児の避難では、電源を確保するためのポータブル電源のほか、重量のある医療機器も運ぶ必要があります。

朝永さんの家から避難所までの距離は、およそ1キロです。地元の住民が先導し、母、幸枝さんが海羽さんの乗るバギーを押して進みます。

■幸枝さん
「きついです。急に下り坂になっているし、下り坂になっていると思ったら登らないといけない。」

一見、緩やかな傾斜に見えても、バギーを押して歩くと、体への負担が想像以上に大きいことが分かりました。

電源や医療機器などは地域の住民が運びました。災害時に助け合える関係づくりも訓練の目的の1つです。

■富永勝幸 永島区長
「思った以上に荷物があると感じました。運動会やふれあい祭りなど、区の伝統行事にたくさんの人に来てもらい、交流して、共助につながればと思います。」

■海羽さんの母・幸枝さん
「地域の方に手伝っていただけたらすごく助かるので、きょうはたくさん集まっていただいて、安心につながったと思います。」

厚生労働省によりますと、「医療的ケア児」は全国におよそ2万人いると推計されています。

武雄市内には11人の「医療的ケア児」がいて、市は今後も同様の避難訓練を行い、助け合いの輪を広げていきたいとしています。

※FBS福岡放送めんたいワイド2026年5月26日午後5時すぎ放送

Share.