防災・危機管理ニュース

 2018年7月の西日本豪雨は6日、最初の大雨特別警報から8年を迎えた。「当時の気持ちを忘れない」。甚大な被害が出た岡山県や広島県の各地では、住民らが犠牲者の冥福を祈り、風化防止を誓った。

 75人が死亡した岡山県倉敷市では、特に被害が大きかった真備町地区で追悼行事が行われた。毎年献花に来るという学童支援員の小倉智美さん(53)=同市=は水害で自宅が全壊した。当時中学生だった長男は被災を機に自衛官を志したといい、「当時の気持ちを忘れず頑張っている。その報告に訪れた」と話した。

 伊東香織市長も献花し、約10秒間、手を合わせた。「亡くなった人の思いや災害の記憶、教訓を後世に伝えることが私たちの大きな責任」と表情を引き締めた。

 広島県坂町小屋浦地区でも住民らが黙とう。母と叔母を亡くした水尻忠道さん(64)は「壊れた物は直るが命は戻らない」と述べ、防災への備えの大切さを強調した。

 これに先立ち、小屋浦小の児童約50人が防災について学んだ。被災時3歳だった小学6年の坂本羽琉さん(11)は、毎年この日にハザードマップを見て避難先を確認しているといい、「守れる命を増やしていきたい」と力を込めた。

 広島市安芸区では、家族を亡くし、自らも約12時間生き埋めとなった男性=同区=が遺族を代表してあいさつ。「二度と経験したくない出来事」と振り返り、「災害の記憶は薄れていくかもしれないが防ぎたい。二度と犠牲者を出さない取り組みをする」と誓った。

 タクシー乗務中の夫を失った同市西区の大下峰子さん(76)は「『気を付けてね』と見送ったのが最後。帰って来なくなるとは思わなかった」と声を絞り出す。「立ち直れないぐらい落ち込んだが、頑張らないといけない」と前を向いた。

 松井一実市長は安芸区役所で献花後、「災害を教訓に地域全体の防災力を高めたい」と語った。

 西日本豪雨では災害関連死を含め300人超が死亡するなど、中国地方を中心に甚大な被害が出た。特に被害が大きかった岡山県では95人、広島県では153人、愛媛県では33人の死者(災害関連死を含む)が出たほか、行方不明者の捜索も続いている。 

(ニュース提供元:時事通信社)

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