
広大な北の大地をめぐる鉄道旅が、さらに快適でシームレスな体験へと進化します。JR北海道グループは、北見、札幌、旭川の道内主要3都市において、各エリアで新規ホテルの出店計画を発表しました。
2027年度に北見駅徒歩1分の好立地へ開業する「JRイン北見」を皮切りに、札幌駅南口(2028年度予定)や旭川駅前(2029年度予定)には、旺盛な訪日外国人(インバウンド)需要をターゲットにした次世代の「新ブランドホテル」を連続して建築・展開する計画です。
本記事では、発表されたばかりの3つの新規ホテルの概要から、2027年にデビューを控える新型豪華観光列車「赤い星」「青い星」との連動性など、北の鉄路が描く新たな観光戦略の未来像をご紹介します。
道内主要3都市でホテル新設、既存施設の拡充も
今回の発表において、JR北海道グループでは、北見においては「JRイン」の新規開業を、札幌・旭川においては新しいブランドでの新規ホテルの出店の計画を公表しました。
札幌駅周辺には、JR北海道のフラッグシップシップホテルでリニューアルを終えた「JRタワーホテル日航札幌」など複数のホテルがそン在する中、新たなブランドのホテルで、インバウンド集客を狙う計画です。
既存8棟のホテルと6棟の無人宿泊施設を展開、★の3ホテルが今回の計画(イメージ)
北見駅徒歩1分の好立地に「JRイン北見」
北見エリアでは、北見駅から徒歩1分という抜群のロケーションに、宿泊特化型ホテル「JRイン」の7店目となる「JRイン北見」が出店されます。
・所在地:北見市大通東1丁目5
・階数:地上9階地下1階
・客室数:206室
・開業予定:2027年度
「全ては心地よい目覚めのために」というJRインのコンセプトのもと、快適なステイを提供します。
位置図:北見(イメージ)
札幌と旭川にはインバウンド対応「新ブランドホテル」、北海道周遊拠点にも
札幌と旭川では、従来のブランドとは異なる「新ブランドホテル」の出店が予定されています。国内外からの様々な顧客ニーズに対応し、新ブランドならではの滞在体験を提供するような宿泊場所になります。
札幌の計画地は札幌駅南口から徒歩5分の立地。国内外の利用者に喜ばれ、旺盛なインバウンド需要にも応える施設計画が検討されています。
・所在地:札幌市中央区北3条西2丁目1
・階数:地上17階 地下1階
・客室数:280室程度
・開業予定:2028年度
位置図:札幌(イメージ)
一方、旭川エリアでは旭川駅から徒歩4分に位置する自社用地(旭川支社隣接地)に、新ブランドホテルの2店目が出店されます。旭川を訪れる人々だけではなく、美瑛や富良野エリアなどの周辺エリアへ来る人も対象としたホテルを目指しています。
・所在地:旭川市宮下通6丁目1
・階数:地上16階
・客室数:320室程度
・開業予定:2029年度
位置図:旭川(イメージ)
観光列車「赤い星・青い星」の就役を見据えたホテル!JR北海道流の『周遊プラットフォーム』の拠点へ
今回のJR北海道グループによるホテル出店において見落としてはならない「興味深い判断材料」は、2027年に運行を開始する新型豪華観光列車「赤い星」および「青い星」のデビューを念頭に置いた、緻密な『移動と宿泊の一体型(MaaS)戦略』です。
【参考記事】 JR北海道の新観光列車「赤い星」「青い星」運行ルートや豪華な内装・個室・ラウンジのデザインを公開!2027年デビュー (スタートレイン計画) https://tetsudo-ch.com/13007917.html
これまでの駅前宿泊特化型ホテル「JRイン」は、主にビジネス客やライトな観光客の利便性、タイパ・コスパを支えてきましたが、今回札幌と旭川に投入される「新ブランドホテル」は、明らかにワンランク上の上質な乗車体験を求める国内外の富裕層(インバウンド)の受け皿として再定義されています。
旭川駅前(写真:PIXTA)
特に旭川の計画においては、「富良野・美瑛をはじめとした道北エリアへの周遊の拠点」と明確に謳われているように、周遊旅の新しい拠点ホテルと定義されています。乗客は「赤い星・青い星」などの観光列車の美しい車窓から、大自然を楽しみながら移動し、夜は各主要駅のターミナル直結の快適なホテルにチェックインするというシームレスな滞在型ルートが一本の線で繋がることになります。
経営環境の厳しいローカル線を単なる「移動手段」として維持するのではなく、ホテルという「稼げるアセット(不動産)」と掛け合わせることで、北海道全体の広域観光ポテンシャル(判断材料)を底上げしようとする、同社の生存戦略がここに透けて見えるといえるでしょう。
富良野・美瑛地区 夏の花畑イメージ (写真:PIXTA)
2027年夏、北見駅前に滑り込む列車を降りてすぐのホテルが私たちを迎えてくれます。そして2028〜2029年、新しく開発が進む札幌駅周辺や、大雪山の山並みを背負う旭川駅前に、世界中からの旅人が集まる新ブランドホテルが開業します。
2027年に走り出す新型観光列車「赤い星・青い星」がもたらす極上の鉄道旅と、主要駅に誕生する美しい宿泊場所の融合は、私たちの北海道旅をよりスマートで、より贅沢なロードムービーへと変えてくれるはずです。北の大地が魅せる新しいインフラの夜明けを楽しみに待つことにしましょう!
(画像:PIXTA、JR北海道)
鉄道チャンネル編集部
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