「先生の残業は減っている」と聞くと、学校の働き方改革が進んでいるように感じます。けれど、山梨県教育委員会の調査を見ると、数字だけでは安心できないところがあります。時間は少し短くなっても、仕事そのものが減っていなければ、現場の苦しさは残ります。

出典:山梨県教育委員会「時間外在校等時間等における業務実態調査の結果について」

平日の残業は5分減ったが

2024年度の調査では、平日に1度でも時間外勤務をした教育職員は県全体で97.8%でした。2020年度より0.6ポイント増えています。一方で、平日の平均時間外勤務は2時間18分から2時間13分へ、5分短くなりました。時間は少し減りましたが、ほとんどの先生が勤務時間を超えて働いている状況は変わっていません。ここを見落とすと、「改善した」で終わってしまいます。

休日に働く人の負担は重くなった

週休日の数字も気になります。時間外勤務をした人の割合は35.6%から28.1%に減りました。ところが、働いた人の平均時間は4時間35分から4時間53分へ、17分増えています。休日に働く先生は減っても、働いた先生の負担はむしろ重くなっている。これは、単純に喜べる数字ではありません。

持ち帰り仕事は消えていない

さらに見逃せないのが持ち帰り仕事です。平日に31.7%、週休日に21.0%の教育職員が、自宅などで仕事をしています。平日は平均59分、週休日は平均1時間50分です。学校を早く出ても、家で教材研究や成績処理をしているなら、負担が消えたとは言えません。場所が学校から家庭に移っただけ、という見方もできます。

時間だけで見ない働き方改革を

保護者としても、「先生が早く帰れるようになったならよかった」と簡単には受け止められません。大事なのは、残業時間の数字だけではなく、仕事の量や中身が本当に変わったのかを見ることです。先生に余裕が生まれてこそ、子どもと向き合う時間も守られます。働き方改革は、先生だけの話ではなく、子どもの学びを支えるための課題なのだと思います。

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