創業66周年を迎えた「かに道楽」。現在は全国に40店舗を構える

「冬は思い出すけれど、夏は・・・」と、暑くなると関西人も忘れがちな存在といえば「かに道楽」(本店:大阪市中央区)。かに=道頓堀のランドマーク、冬の味覚だが、実は6月になると“夏のかに”に力をいれはじめる。

広報を担当する営業企画部の西岡広志さんは、「冬のカニのイメージが変わっていくように持っていきたいです」と意気込む。が、夏場の客入りについて聞いてみると、「包み隠さずお話しますと・・・ぐんと減ります」と赤裸々な回答が。

はたして、夏もかにはいけるのか。これまで年末年始にしか食べてこなかった大阪人の筆者が体験してみた。

『涼香』より、すだちをかけて楽しむ「焼かに」『涼香』より、すだちをかけて楽しむ「焼かに」

■「かに料理=冬」は古い常識に?

大阪にかに料理を広めたとされる同社。創業の1960年当時、主に扱っていた松葉がにの漁期が11月から3月までということもあり、夏場はかに料理を提供できなかったという。

現在は扱うかにの種類が増え、冷凍技術が発展したこともあり年間を通して営業しているが、やはり「かに料理=冬」というイメージはなかなか拭えない。

「今まで広報活動をできていなかったのが弱みかもしれません。そういう意味では、あの看板(道頓堀の動く看板)が偉大すぎて・・・。冬になったら来てくれる、という考えがありました」と西岡さんは振り返る。

そこで、同社では10数年前から、かに造り会席にくわえ6月22日を「かにの日」と制定しキャンペーンも実施しているのだが、まだまだ周知は足りないようだ。

■ 夏こそ食べたい!かに料理

そんな中で、推しているのが夏の会席フェアのコース。今回、食べたのは6月より始まる夏の会席フェアのコース『涼香』。他のコース名が『夏音』や『蒼風』であることからも分かるように、涼しげなコンセプトを前面に出していることが伝わってくる。

「かに前菜」(茹かに、かにみそ豆腐と夏野菜) 『涼香』より、「かに前菜」(茹かに、かにみそ豆腐と夏野菜) 

「かに道楽」の店名通り、前菜のかに味噌を使った豆腐、かに茶碗蒸し、かに釜飯、焼きかになどかに尽くしな内容のなか、特に記憶に残ったのはこの時期ならではの「彩かに造り」だ。

『涼香』より、夏ならではの「彩かに造り」(かにの土佐締め炙り、かにの白醤油漬け造り、かに爪霜降り造り、かに脚造り、かに肩肉造り)。スモークが溢れ出る演出も『涼香』より、夏ならではの「彩かに造り」(かにの土佐締め炙り、かにの白醤油漬け造り、かに爪霜降り造り、かに脚造り、かに肩肉造り)。スモークが溢れ出る演出も

かに脚の霜降りや肩肉、かに爪など、かにのさまざまな部位をお造りにした一品だが、口に入れた瞬間の甘みや、ぎゅっと旨味が詰まった身は小さく叫んでしまうほどのおいしさ。ひんやりと程よく冷やされとろろも添えられているので、夏バテも撃退してくれそうだ。

『涼香』より、しめの「かに釜飯」。1度目はそのまま、2度目はお茶漬けで楽しむスタイル『涼香』より、しめの「かに釜飯」。1度目はそのまま、2度目はお茶漬けで楽しむスタイル

「とにかく皆さんに、好きになってもらいたいです。前提として、お食事で集まることは楽しいもの。その楽しい場所の候補として、かに道楽があってほしいなと思います」と西岡さん。

「かに道楽 梅田店」にて、かに道楽の皆さん。中央は営業企画部の西岡広志さん

『彩かに造り会席フェア』の期間は6月1日から9月15日まで。かにの日である6月22日には、ハズレ無しでお食事券などが景品の「スピードくじ」も実施する予定だ。

取材・文・写真/つちだ四郎

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