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IEA「商業用原油在庫、残り数週間分」
米国が「スイングプロデューサー」に
米WTI原油先物価格(原油価格)は今週に入り、1バレル=96ドルから105ドルの間で推移している。米国とイランとの停戦合意に関する情報に左右されて、原油価格が乱高下する展開が続いている。
まず世界の原油供給に関する動向についてみてみたい。
ホルムズ海峡での原油輸送は相変わらず停滞したままだ。
日本経済新聞は5月21日「ペルシャ湾に滞留している石油タンカーの数が依然として160隻超に上ることが欧州調査企業ケプラーのデータでわかった」と報じた。合計約1億6000万バレル(世界の原油消費量の1.6日分)の原油や石油製品が買い手の元に届かない計算となる。
米軍は今月上旬から民間船舶がペルシャ湾の外に出るのを支援する「プロジェクト・フリーダム」を実施したが、状況は依然として厳しいままだ。
OPECから脱退したアラブ首長国連邦(UAE)は事態打開に向けて動き始めている。
アブダビ国営石油会社(ADNOC)は15日、ホルムズ海峡を通らない輸出ルートであるフジャイラ経由による原油輸出能力を倍増させるため、新規パイプラインの建設を来年に完成させる方針を明らかにした。
UAEの既存のアブダビ原油パイプラインは日量180万バレルの輸送能力を有しているが、日量340万バレルの生産量に比べると約半分だ。生産枠の縛りがなくなったUAEは、ホルムズ海峡を通らない輸出ルートを拡充することで生産量の大幅拡大を目指している。だが、即効性がないのが難点だ。
一方、イランの原油輸出を巡る環境は厳しくなっている。
