現代のスペインおよびラテン音楽シーンにおいて、圧倒的なパフォーマンス力と独創的な世界観でトップスターの座に君臨するのが、Lola Indigo(ロラ・インディゴ)である 。
圧倒的なダンススキルと力強いボーカル、そして自身のルーツであるアンダルシアの伝統を融合させた彼女の音楽は、ヨーロッパやラテンアメリカを中心に多くの人々を熱狂させてきた 。
そして精神的な限界による一時休養を経て劇的な復活を遂げたLola Indigoの「現在」と、最新楽曲が示す深遠な芸術性を見ていきたい。
1. 最新シングル『El Bachatón de la L』と『TUS INICIALES』深層と、新たなる未来への飛翔
Lola Indigoの「今」を語る上で欠かせないのが、精神的な危機を乗り越えて到達した、表現者としての圧倒的な進化である 。
燃え尽き症候群(バーンアウト)からの完全な復活劇
Lola Indigoは2025年9月、約7年間にわたり業界の第一線をノンストップで走り続けてきたことによる「精神的・感情的な限界(バーンアウト)」を告白し、一時的にステージやソーシャルメディアから完全に離れることを発表した 。
2025年は初夏に大規模なスタジアムツアーを大成功させるなど、キャリアの絶頂期にあったが、過酷なスケジュールと業界の強烈なプレッシャー、さらには当時のマネジメントチームによるサポートや人間性の欠如が彼女に多大なストレスを与えていたことが、後に明かされている 。
約2ヶ月間に及ぶ、インターネットや露出からの完全なデジタルデトックス期間を経て、彼女は自身のプロジェクトを完全に健全な環境で一から再構築することを決意した 。この徹底的なリビルド期間を経て、2026年春、彼女はさらに強靭なアーティストとして音楽シーンへと帰還したのである 。
最新シングル『El Bachatón de la L』 2026年5月21日
Lola IndigoとLucho RKによる「EL BACHATÓN DE LA L」は、タイトル通り、バチャータとレゲトンを掛け合わせた“Bachatón(バチャトン)”系の楽曲だ。ただし、これは単なる夏向けのラテンポップではない。
Lucho RK(ルチョ・アールケー)は、本名Emilio Roca Cáceres。
2000年、スペイン領カナリア諸島・グラン・カナリア生まれのレゲトン/トラップ系アーティストだ。
「Lucho」という名前は、幼い頃にテレビ番組のキャラクターに似ていると言われたことから家族に付けられた愛称。
そして「RK」は、自身の苗字のイニシャルに由来している。「何か神秘的な由来があると言いたいところだけど、実際はクエンカで一緒に運転免許を取っていたから、“Lの者たち”って呼ばれるようになっただけ(笑)」
Lola Indigoは語っている。
もともとLucho RKとは面識があったものの、本格的に距離が縮まったのは、その免許合宿の時期だったという。
そこで自然と友情が深まり、「かなり気が合った」と彼女は振り返っている。
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曲全体に漂っているのは、もっと暗く、湿度のある官能性。夜。秘密。執着。
そして、抗えない欲望。そうした感情が、バチャータの甘いギターと、レゲトンの低音ビートの上でゆっくり燃えていく。
歌詞で描かれているのは、お互いに別の相手がいるかもしれない、それでもどうしても惹かれ合ってしまう男女の関係だ。
冒頭から、「俺は一人の女だけのものにはなれないと言われる」「君も、一人の男だけのものじゃない」というニュアンスの言葉が置かれる。
つまりこの曲は、最初から“健全な恋愛”ではない。むしろ、誰にも言えない関係。理性では止められない恋。そういう危うさを前提にして始まっている。特に印象的なのが、「私たちを見ているのは月だけ」というラインだ。一見するとロマンチックな表現に聞こえる。
しかし、Lola Indigoが近年強く接近しているアンダルシア文化や、Federico García Lorca的な世界観を踏まえると、この“月”はただの美しい夜景ではない。Lorcaの作品において、月はしばしば、死、運命、悲劇、抗えない欲望を象徴する存在として現れる。だからこの曲の“月”も、単に恋人たちを照らす優しい光ではなく、二人の秘密と破滅を静かに見届ける存在のように感じられる。
面白いのは、Lola Indigoがここで“バチャータ”をただ流行として使っているわけではないことだ。
彼女は以前から、バチャータやロマンティックなラテン音楽への接近を見せてきた。
Romeo Santos、Aventura、Prince Royce以降の“恋愛音楽としてのバチャータ”の記憶。
バチャータ(Bachata)は、ドミニカ共和国発祥のラテン音楽。
甘く揺れるギターと、切ない恋愛感情を歌うスタイルが特徴で、失恋 、未練 、夜の恋 、情熱的な男女関係 などをテーマにすることが多い。
“Bachatón(バチャトン)”とは
Bachata(バチャータ)+Reggaetón(レゲトン)
を掛け合わせたジャンル名だ。
そこに、レゲトン以降の都市的なビート感を重ねることで、彼女は2020年代的なラテン・ポップへと更新している。しかし今回の「EL BACHATÓN DE LA L」が特に重要なのは、そこにさらに“文学性”や“スペイン的な暗さ”が加わっていることだ。
これまでのLola Indigoは、ダンス、強い女性像、クラブ感、ポップスター性を前面に出してきた。だが近年の彼女は、そこにアンダルシア、Lorca、Buñuel、シュルレアリスム、古いスペイン映画のような要素を混ぜ始めている。
つまり、単なる商業レゲトン・ポップスターではなく、スペイン文化そのものを、現代のアーバンポップへ変換する存在へと進化しようとしているように見える。
「EL BACHATÓN DE LA L」は、欲望に負けていく男女の関係を、現代レゲトンとアンダルシア的な象徴世界の間で描いた“夜のラブソング”だ。
官能的で、危うくて、少し宗教的。そして何より、ちゃんと踊れる。この両立こそが、今のLola Indigoの面白さだと思う。
特に『El Bachatón de la L』のビデオクリップでは、ルイス・ブニュエル監督のシュルレアリスム映画『アンダルシアの犬』を意識した「目に剃刀を近づける演出」や

ロルカの『血の婚礼』を思わせる「情熱と死の象徴としての馬と月」が用いられており、彼女の「演劇的なコンセプト」が現在進行形で進化していることが示されている 。
MVの中でも特に印象的なのが、“回転する馬の映像装置”のシーンだ。
これは、映画誕生以前のプレシネマ装置、ゾートロープや初期アニメーション装置のようにも見える。しかも映し出されているのは“馬”。
馬はこのMV全体を通して、欲望、本能、暴走する感情の象徴として繰り返し現れる存在だ。だが、このシーンではその欲望が、まるで古い映画の幻影のように永遠にループしている。
忘れられない恋。頭の中で何度も再生される記憶。抜け出せない執着。そうした感情を、“映画以前の映像の魔法”によって表現しているようにも見える。
さらに興味深いのは、“馬の動き”そのものが映画史の起源とも深く結びついていることだ。
Eadweard Muybridgeによる連続写真研究、「走る馬は四本脚すべてが浮く瞬間があるのか?」という実験は、後の映画技術へと繋がっていった。
つまりこのMVは、単なるラテンポップの映像ではなく、“映像の記憶”そのものを引用しているようにも感じられる。
『TUS INICIALES』
2026年4月16日にリリースされた復帰第一弾シングル『TUS INICIALES』(あなたのイニシャル)は、Lola Indigoの次なる章、そして近くリリースが予定されているニューアルバムの幕開けを告げる記念碑的な楽曲である 。
テーマ
消えない過去の恋の記憶、
女性の連帯とエンパワーメント
豪華な女性ボーカリスト同盟
この楽曲は、Lola Indigo単独の作品ではなく、現在のスペインの音楽シーンで圧倒的な個性を放つ3人の女性実力派アーティストLia Kali(リア・カリ)
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Queralt Lahoz(ケラルト・ラオス)
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SALMA(サルマ)
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を迎えたコラボレーションである 。
いずれもフラメンコやアーバンミュージックを独自のスタイルで昇華させている歌姫たちであり、彼女たちの個性がぶつかり合うボーカルワークは、「現代のスペイン音楽シーンにおける最強の女性同盟」として高い評価を得ている 。
Lola Indigoはこの曲を通じ、抑圧に立ち向かい団結する女性のエンパワーメントを力強くマニフェストしている 。
サウンドプロダクション
現代的なレゲトンの粘り強いアーバンビートを土台に据えつつ、伝統的なスパニッシュ・フラメンコの哀愁、アコースティックギター、ハンドクラップ(パルマ)のオーガニックな響きが絶妙にブレンドされている 。
デジタルとトラディショナルの高次元での融合は、聴き手を一瞬でスペイン南部アンダルシアの乾いた空気感へと引き込む 。
歌詞が描く愛憎とシンボリズム
歌詞の核心にあるのは「過去の激しい恋愛の未練と、消えない傷跡」である 。
「あなたのイニシャルが私の印に刻まれている(Sus iniciales en mi sello)」
「首にはすべての聖人のメダルをかけている(To’ los santos en mi cuello)」
というフレーズが繰り返され、相手を完全に忘れることができない葛藤が描かれる 。
後半では
「あなたのために花は咲かず、あなたが現れれば枯れてしまう。私はあなたを7回呪う(Te maldigo siete veces)」といった、フラメンコの伝統的な口承詩にも通じる情念的でダークな呪詛が歌い上げられ、甘いラブソングとは一線を画す「痛みを伴う愛の深淵」が提示されている 。
ガルシア・ロルカへの至高のオマージュ
『TUS INICIALES』のミュージックビデオは、視覚芸術としても極めて高い価値を持っている 。
この映像は、スペインが誇る世紀の詩人・劇作家フェデリコ・ガルシア・ロルカ(Federico García Lorca)がかつて暮らしたグラナダの旧邸宅において、音楽ビデオとして史上初めて撮影を許可された歴史的な作品である 。
映像はロルカの代表的戯曲『ベルナルダ・アルバの家』
『ベルナルダ・アルバの家』(1936)
夫を亡くした母・ベルナルダが「8年間喪に服す」と宣言し、5人の娘たちを家に閉じ込める。恋愛したい、自由になりたいという娘たちの欲望は徹底的に抑圧され、やがて嫉妬と悲劇へと向かっていく。
女性への抑圧、宗教、禁欲と欲望、家父長制——それらをロルカ特有の象徴(馬、月、夜、閉ざされた空間)で描いた作品。
現代スペイン系アーティストがロルカを引用するとき、多くはこの作品の空気を帯びている。
大胆に再解釈しており、スペインのトップ女優Mina El Hammani(ミナ・エル・ハマニ)が主演を務めている 。
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中庭に佇む喪服姿の女性たち、漆黒のレースのヴェール、宗教的な聖具、白壁と影のコントラストといったアンダルシアの伝統的な「生と死」「抑圧と情熱」を象徴するビジュアル表現は、彼女が単なるポップスターから「伝統の継承者であり革新者」へと昇華したことを証明している 。
今後の展開と新たなるシングル、世界ツアー
Lola Indigoのクリエイティブな勢いは、復帰後さらに加速している 。
『Fifty Fifty』:メキシコのトップポップスター、Kenia Os(ケニア・オス)とのコラボレーション など。
2026年夏のツアー:『Romance de 1 Noche de Verano』
2026年5月にメキシコでの大型フェスティバル『Tecate Emblema』で本格的なライブ復帰を飾った彼女は、同月より大規模な夏のフェスティバルツアー『Romance de 1 Noche de Verano』(夏の夜の1夜のロマンス)をスタートさせている 。
このツアーは、ロルカの詩的世界やウィリアム・シェイクスピアの劇作からインスピレーションを得ており、音楽ライブでありながら一本の演劇を見ているかのような「劇的なシアトリカル・ストーリー」が展開される 。
最近のインタビューからみるLola Indigo
パブロ・モトスが迫る、“プラチナゲスト”ローラ・インディゴの素顔」TV出演時のインタビュー書き起こし記事の要約です。インタビュー(番組出演)も同日である2026年5月21日に行われたものと思われます。
Lola Índigo recuerda el motivo por el que tuvo que parar su carrera: “Mentalmente estaba hecha polvo”
La cantante y bailarina ha acudido al programa de Pablo Motos
www.hola.com
【新たなスタートと新ツアー】 歌手でダンサーのローラ・インディゴが、新たなエネルギーとともにステージに帰ってきます。彼女はパブロ・モトスが司会を務める番組『エル・オルミゲーロ』にゲスト出演し(同番組への出演は10回を超え、プラチナゲストの称号を得ています)、「すべてが新しい」と語る新プロジェクトについて明かしました。彼女の新しいツアー「Romance de una noche de verano」は、5月30日にグラナダで開催される1日限りのフェスティバル「GRX La Feria」で幕を開け、そこでは彼女自身がDJも務める予定です。
【新曲と「Lの仲間たち」の由来】 番組では、親友であるカナリア諸島出身のアーティスト、ルチョ・RKとのコラボレーションによる新曲「El Bachatón de la L」が披露されました。このリリースは、彼女が深い思い入れを持つグラナダの「フェデリコ・ガルシア・ロルカの家」で録音された次期アルバムの先行曲「Tus iniciales」のリリースから1ヶ月後のことです。 また、番組内で彼女は「los de la L(Lの仲間たち)」という名前の由来について笑いながら明かしました。それは単純な理由で、ルチョと一緒にクエンカで運転免許を取得した際の出来事だったそうです。以前から知り合いではあったものの、この経験を通じて「彼は素晴らしい子だ」と実感し、友情が確固たるものになったと語っています。
【アンダルシアの世界観を表現するステージ】 新ツアーの詳細について司会のパブロから尋ねられると、「あまり明かしたくない」とミステリアスな態度を保ちつつも、視覚的なコンセプトが「アンダルシアの中庭(パティオ)」をステージにした非常にアンダルシア色の強いものになることを明かしました。彼女はこれを「夢が叶った」と表現し、初めてそのセットを見たときは感動を抑えきれなかったと言います。また、「自分たちの作ったものがすごく気に入っているからこそ、緊張している」と、この新章にかける特別な思いを覗かせました。
【必要不可欠だった活動休止:怪我、沈黙、そして再生】 昨年(2025年)9月、マドリードで開催された「コカ・コーラ・ミュージック・エクスペリエンス」で、ローラは「精神的に疲れ果てている。ちゃんとした状態に戻るために休みが必要」と涙ながらに語り、活動をすべてストップしました。今回、彼女は当時の状況について、実はアキレス腱を負傷していたものの、「私はタフだから何も言わなかった。そういうことは自分の中にしまっておくタイプ」と、怪我を隠していたことを初告白しました。 この休止は、肉体的・精神的な消耗が激しかったため、ペースや優先順位、ケアのあり方を見直す「選択ではなく必要不可欠なもの」でした。「精神的にボロボロで、セラピーに通い、本を読み、自分自身の声に耳を傾ける必要があった」と彼女は振り返っています。
【回復のプロセスと旅】 回復の過程で、彼女はピラティスの素晴らしさに気づき、理学療法と合わせて大きな助けになったと語っています。ピラティスのおかげで、ツアーや移動の連続で失っていた体力、可動域、そして自分の体との繋がりを取り戻すことができました。 個人的に非常に辛く、仕事面でもストレスの多かった2025年の反動から、彼女は休止期間中、スペインの冬から逃れるように温かい場所を求めて旅に出ました。ブラジルやアルゼンチン、ニューヨーク(キャロリーナ・ヘレラのファッションショーに参加)を訪れた後、マイアミに身を寄せました。このマイアミで彼女は長年求めていた平穏と創造的な空間を見つけ、ニューアルバムの曲作りを終えることができました。
【彼女の「オタク」な一面】 最後にローラは、自身が長年集めている「オタクっぽいもの(cosas frikis)」がたくさんあると、飾らない一面を見せました。自身のポップな美学に影響を与えた「Bratz(ブラッツ)」人形の自身のレプリカを持っているほか、最近では世界中の絵画を集め始めたと語っています。アルゼンチンの「牛のフェデリカ」の絵などもその一部で、この新しい趣味が家を個性的にし、リラックスや息抜きに役立っていると語りました(これに対し司会のパブロは「君の家はさぞかしお祭り騒ぎだろうね」と笑いを誘いました)。
2. Lola Indigoのプロフィール、輝かしい活躍、そして魂の音楽
Lola Indigoの比類なきスター性は、彼女が辿ってきた「バックダンサーとしての国際的な下積み」と「国民的オーディション番組での劇的な挫折」という、ユニークな経歴から紡ぎ出されている 。
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プロフィール
アーティスト名
Lola Indigo(ロラ・インディゴ)
本名
Miriam Doblas Muñoz(ミリアム・ドブラス・ムニョス)
旧名・愛称
Mimi(ミミ) / Mimi Doblas
生年月日
1992年4月1日生まれ
出生地
スペイン・マドリード
精神的ルーツ
アンダルシア地方グラナダ県ウエトル=タハール
育った場所/ルーツ
Madrid出身扱いされることも多いけど、
本人はかなり「グラナダ/アンダルシアの人間」というアイデンティティを強く出してるところ。
グラナダ – Wikipedia
ja.wikipedia.org
主な職業
歌手、作詞作曲家、ダンサー、振付師
主要な受賞歴
MTV Europe Music Award:
Best Spanish Act
(2019年、2024年受賞)
プロダンサーとしてのグローバルな遍歴
幼少期からダンスと振付に非凡な才能を見せていた彼女は、地元のダンス講師やミュージカル出演を経て、若くしてスペイン国外へ活動の場を広げた 。
特に、中国に3年間滞在してプロダンサーとして活動したほか、ロサンゼルスに渡って本格的なボーカルレッスンとダンス訓練を積んでいる 。
この時期、彼女はクリス・ブラウン、エンリケ・イグレシアス、ミゲル・ボゼーといった世界的なAリストアーティストのバックダンサーを務めていた 。
この「世界水準のダンス技術」と「ステージ演出を俯瞰する視点」こそが、後のLola Indigoの強力な武器となった 。
挫折をバネにした「Lola Indigo」の誕生
2010年にダンス番組『Fama Revolution』に出場した彼女
この動画「MIMI」っていうのが、Lola Indigoになる前の名前。
しかもこの映像、実はスペインでかなり有名。
タイトルの“Eres un estorbo para mi vista”は、
「君は視界の邪魔だ」くらいのかなりキツい言葉。
つまり当時、かなり厳しく怒られていた。
2017年にスペインの国民的スター発掘オーディション番組『Operación Triunfo(オペラシオン・トリアンフォ)』の第9シーズンに出場する 。しかし、最初の週で最初の脱落者(16位)となってしまうという、大きな挫折を味わう 。
GALAS COMPLETAS OT 2017
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Gala 0入学式 ダンサーとして注目される
Gala 1 10/30 デュエット披露、存在感を発揮
Gala 2 11/6 A-YO」ソロ→第1脱落者に
Gala 3 11/13 すでに脱落済み
番組終了後、レコード会社から他の番組出演者たちと新たなガールズグループを結成する提案(Delta計画)を受けたものの、彼女は「自分たちのアーティスティックな方向性に合致する楽曲がない」としてこれを拒否 。
自らがフロントボーカルを務め、自身が選りすぐった実力派の女性ダンサーたちを従えて完璧なコレオグラフィーを魅せる、ソロ・ハイブリッドプロジェクト「Lola Indigo」を自ら立ち上げた 。
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2018年に発表したデビューシングル『Ya No Quiero Ná』
オーディションでの評価を完全に覆すトリプルプラチナの大ヒットとなり、彼女は一躍スペインポップ界のトップへと上り詰めたのである 。
① OT 2017で”Mimi”として出演
↓
最初の脱落者となる
↓
② その後、“Lola Indigo”名義でソロ始動
↓
③ デビュー曲「YA NO QUIERO NÁ」が大ヒット
↓
④ 翌年、OTのステージへ”成功者”として帰還する
という、かなりドラマチックな流れを辿っている。
しかも「YA NO QUIERO NÁ」が衝撃的だったのは、単にヒットしたからではない。
当時のスペインのメインストリームポップに対して、女性グループ的なフォーメーション、ダンスを軸にしたステージ演出、レゲトンを基盤にしたビート、K-POPにも通じる集団パフォーマンス性、都会的で洗練されたアーバンポップ感覚を、一気に持ち込んだからだ。
当時の『Operación Triunfo』周辺では、まだ“歌唱中心”のポップスター像が強かった。
しかしLola Indigoは、そこに「歌う」だけではなく、「踊る」「演出する」「ビジュアルまで含めて世界観を作る」という、より現代的なポップスター像を提示した。
だからこそ彼女は、“最初に脱落した参加者”から、スペインのポップシーンそのものを更新する存在へと変わっていったのである。
3. ディスコグラフィー徹底解剖:歴代アルバム・EP紹介と厳選15曲解説
Lola Indigoのこれまでの音楽的変化を追うため、これまでにリリースされた3枚のスタジオアルバム、1枚の特別企画EP、そして最新のスタジオアルバムの計5つの名盤から、それぞれ3曲ずつ(合計15曲・重複なし)を厳選し、その背景とともに紹介する。
Lola IndigoをApple Musicで
Lola Indigoの音楽をApple Musicで聴く。
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1stアルバム:『Akelarre』 (2019年)
バスク語で「魔女の集会」を意味するタイトルが示す通り、抑圧された女性たちが自らのパワーを取り戻すフェミニズムを宿した、衝撃のデビューアルバムである 。スペイン国内チャートで初登場1位を獲得し、ゴールドディスクに認定された 。
Akelarre (Edición Especial)
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『Ya No Quiero Ná』 (もう何もいらない)
Lola Indigoの伝説の始まりとなったデビュー曲。「私はあなたのために踊っているのではない、自分のために踊っている」と宣言し、恋愛依存からの脱却と自立を歌う。
重厚なアーバン・ファンクのビートと、一糸乱れぬフォーメーションダンスのMVはスペイン国内で社会現象を巻き起こした 。
『Mujer Bruja』 (魔女の女) with Mala Rodríguez
スペインのヒップホップ界のレジェンド、マラ・ロドリゲスを迎えた妖艶なナンバー。
歴史的に迫害されてきた「魔女」を、強さと神秘性を秘めた現代のフェミニズムの象徴へと再定義した。レゲトンとスパニッシュ・ギターが融合した艶やかなミディアムテンポトラックである 。
『Maldición』 (呪い) with Lalo Ebratt
コロンビアのラッパー、ラロ・エブラットをフィーチャーした、愛と執着をテーマにしたダークラテン・トラップ。
MVで見せる演劇的かつパワフルなダンス表現は、現在の彼女が標榜するシアトリカルなステージングの原点となっている 。
2ndアルバム:『La Niña』 (2021年)
前作のダークな魔術的世界観から一転、2000年代のティーンポップ、ハイスクールカルチャー、そしてヴィヴィッドなピンクをテーマカラーにした、ポップで遊び心溢れる2ndアルバムである 。
La Niña XXL
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『La Niña de la Escuela』 (学校のあの女の子) with TINI, Belinda
アルゼンチンのTINI、メキシコのBelindaというラテン界のトップスターを招き、スペイン国内で4回プラチナ認定されたメガヒット曲 。
学生時代に地味で誰からも相手にされなかった少女が、美しく自立した大人の女性へと変貌を遂げ、自分を振った男性にリベンジを果たす痛快なガールパワー・アンセムである 。
『4 Besos』 (4つのキス) with Rauw Alejandro, Lalo Ebratt
プエルトリコのレゲトン界の寵児ラウ・アレハンドロを迎え、洗練されたクラブサウンドを展開。
都会的で心地よいミドルレゲトンのリズムに乗せ、大人のセンシュアルな駆け引きをスマートに歌い上げている 。
『Lola Bunny』 (ローラ・バニー) with Don Patricio
カナリア諸島出身のラッパー、ドン・パトリシオとの親密なデュエット曲。
ルーニー・テューンズのキャラクターになぞらえ、ポップで弾けるR&B風のビートに乗せて、軽快なライムの応酬を楽しむことができる傑作ポップトラックである 。
3rdアルバム:『El Dragón』 (2023年)
「龍」の強固さと再生をテーマに掲げ、それまでのラテン・アーバン路線から、フューチャリスティックなエレクトロ・ポップ、ハイパーポップ、ユーロダンスの領域へと劇的なサウンドの進化を遂げた3rdアルバムである 。
EL DRAGÓN
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『El Tonto』 (愚か者) with Quevedo
スペインの最重要ラッパー、ケベドとコラボし、国内チャート1位、プラチナ認定を連発した大ヒットシングル 。
Lola Índigoのシングルは「チャート入りはするが中位で消える」という「呪い」があったが、2023年4月の『El Tonto』は彼女初のスペイン公式シングル1位となり、「呪いを破った」1曲。
自分を捨てたことを後悔している元恋人を「愚か者」と呼び捨て、強烈な4つ打ちのシンセダンスビートで跳ね回る、現代スペイン屈指のパーティーアンセムである 。
『Corazones Rotos』 (破れたハートたち) with Luis Fonsi
世界的ヒットメーカー、ルイス・フォンシを迎えたエモーショナルなエレクトロ・ダンスナンバー。
「失恋した者同士、今夜は一緒に踊って痛みを吹き飛ばそう」と呼びかける、哀愁漂う4つ打ちのダンスビートが聴く者の心を激しく揺さぶる 。
『La Santa』 (聖女)
キリスト教の「聖」と、夜のクラブの「俗」を対比させた挑戦的なレゲトン。
彼女が得意とする、宗教的なシンボリズムをポップミュージックの文脈へと落とし込む手法が遺憾なく発揮されている 。
特別企画EP:『GRX』 (2024年)
彼女のアイデンティティであるグラナダ空港のコード「GRX」を掲げ、自身のフラメンコのルーツに今一度回帰し、アンダルシアの最前線で活躍するアーティストたちと濃密にコラボレートした、最もオーガニックなコンセプトEPである 。
GRX
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『MALA SUERTE』 (不運) with Dellafuente
グラナダのカリスマ的アーバン・フラメンコシンガー、デラフエンテとのコラボレーション。フラメンコギターの哀しげなつま弾きと、地鳴りのようなトラップの低音が完璧に調和し、アンダルシアの伝統的な情念を見事に描き出している 。
『DE PLASTILINA』 (粘土のよう) with Pepe y Vizio
同じく地元のフォーク・デュオとの共演作。
軽快なフラメンコ・ルンバのアコースティックなリズムに乗せ、人間の心の揺れ動きやすさを「粘土」に例えて歌う、非常に心地よくノスタルジックなオーガニック・ポップスである 。
『UNA BACHATA』 (あるバチャータ) with Saiko
新世代のトップランナー、サイコとコラボレーション。
伝統的なドミニカ共和国のバチャータのリズムをグラナダのフィルターを通して再構築した、哀愁あふれるモダンラテン・ラブソングである 。
4thアルバム:『Nave Dragón』 (2025年)
敏腕プロデューサーのTunvao(トゥンヴァオ)をメインに据え、SF映画のような近未来的サウンドと、ダークでアトモスフェリックなレゲトンビートを追求した、現時点での最新スタジオアルバムである 。
NAVE DRAGÓN
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『SIN AUTOTUNE』 (オートチューンなし)
音程修正技術であるオートチューンを使用せず、あるいは生身のボーカル表現をコンセプトとし、名声の裏にあるアーティストとしての孤独や脆さを赤裸々に吐露するエモーショナルな名曲。
デジタルな世界への、彼女なりの人間的レジスタンスが表現されている 。
『1000COSAS』 (1000のこと) with Manuel Turizo
コロンビアの人気スター、マヌエル・トゥリソを迎えた本作のリードトラック。
Lola Indigo自身が「従来のヒット曲の構成を良い意味で破壊する、非常にダークで大気(アトモスフェリック)な不思議な魅力がある」と語る通り、重厚な音響設計と抑制された熱情が中毒性を生むダンス・アーバントラックである 。
『Q SOMOS?』 (私たちは何?) with Kidd Voodoo
チリの次世代スター、キッド・ブードゥーをフィーチャー。
都会的なレゲトンのうねりの中で、愛の定義を問いかける男女の危うい境界線を描き出す。洗練されたビートメイクと二人のボーカルのケミストリーが心地よいモダンラテン曲である 。
4.過去のインタビューからみるLola Indigo
https://acero.metalmagazine.eu/post/lola-indigo-acero-vol-10
このインタビュー記事は、2025年5月に出版された雑誌『ACERO』アルバム『Nave Dragón』リリースタイミング掲載 AI翻訳/要約
【生い立ちとアーティストとしての姿勢】 ローラ・インディゴ(本名ミリアム・ドブラス)は、人口わずか1万人弱のグラナダ県ウエトル・タハル出身のダンサー、歌手、作曲家、振付師です。彼女の最新かつ最も成熟したスタジオアルバム『Nave dragón』のリリースとスタジアムツアーの開幕を控え、彼女は現在キャリアの絶頂期にあります。ジュエリーブランド「UNOde50」とのコラボ撮影の準備中に行われたこのインタビューでは、彼女の素顔や音楽への深い思いが語られています。
【活動名と撮影時の「アルターエゴ」】 「ローラ」という名前は単に響きが気に入ったからであり、またインターネットで検索されにくくするためという理由もありました。「インディゴ」という名前は、彼女がスペインに戻って歌手になることを決意した時期に、インディゴチルドレンやスピリチュアリティ、過去世とのつながりについて教えてくれた少女の話に感銘を受けて名付けたものです。撮影などでカメラの前に立つ際は「別の人格(アルターエゴ)」を持つことが最適な対処法だと語っており、表現やコミュニケーションを好む一方で、日常生活ではヒールやコルセットを脱ぎ捨てて快適さを最優先しています。
【自己肯定感と地元からの視線】 彼女は常に自分が成功すると確信しており、数千人の前でステージに立つためにも「自分は最高だ」と言い聞かせる自己肯定感やエゴが必要不可欠だと力説しています。特に女性に対しては、こうした自信が「傲慢さ」や「謙虚さの欠如」と不当に誤解されがちであると指摘しています。地元の人々は、彼女が19歳で中国へ行ったり、昔の動画編集ソフトで手作りのミュージックビデオをYouTubeに投稿したりと、昔から変わったことをしていたため、現在の爆発的な成功に対しても驚いていないそうです。
【ゴヤ賞でのパフォーマンスとDellafuenteとの絆】 故郷グラナダで開催されたゴヤ賞では、フェデリコ・ガルシア・ロルカへのオマージュとして『Verde que te quiero verde』を披露しました。このステージは入念な準備を経て行われ、長年のアイドルであり友人でもあるDellafuenteと共演できた特別な瞬間でした。Dellafuenteとのコラボレーションは彼女が長年引き寄せてきたものであり、彼女のベルナベウ公演が中止になって落ち込んでいた際に、彼が自身のメトロポリターノ公演の決定をわざわざ電話で伝えてくれたエピソードを挙げ、彼の謙虚さやプロ意識に深い感謝を示しています。また、彼女はアンダルシア人同士の絆や文化に強い誇りを持っており、無意識に相手の訛りに合わせてしまう癖があるものの、アンダルシア訛りで話すことを誇りに思っています。
【下積み時代の経験とチーム運営の喜び】 過去に有名アーティストのバックダンサーを務めてきた中で、最も謙虚さを学んだのは、ステージの掃除や裏方作業も自らこなしていたソラヤ・アルネラスでした。現在、自身がチームを率いる立場になった彼女は、ダンサーやスタッフに仕事を提供し、彼らが楽しく働き、評価される環境を作ることが仕事における最大の喜びだと語っています。もし別の人生を歩むとしたら、自身の両親の離婚や体型の悩みがあった時期に寄り添ってくれた恩師たちのように、子供たちの人生や悩みに向き合う学校の教師になりたかったと述べています。
【新アルバム『Nave dragón』の制作秘話】 新アルバム『Nave dragón』は2023年の『El dragón』の続編であり、スタジアム公演に関する問題や個人的な事情によりリリースが遅れました。当初はEPの予定でしたが、自身の作詞スキルが向上しインスピレーションに恵まれた結果、フルアルバムへと発展しました。世間からはレゲトンアーティストと思われがちですが、実際にはこれまで純粋なレゲトンをあまり作っていなかったため、今作では踊れるレゲトン楽曲が多数収録されています。また、今作では彼女自身もプロデュース業に深く関わっており、「これまでで最高のアルバム」だと自信を見せています。今後は『Misión』という楽曲がヒットするポテンシャルを持っているとも語っています。
【音楽スタイルと今後の展望】 前作『GRX』はグラナダのルーツに立ち返り、友人たちと楽しみながら作ったプロジェクトでしたが、『Nave dragón』はよりライブパフォーマンスを意識し、多種多様なジャンルを取り入れた作品です。彼女は休みの日にスタジオへ行くことを「休息」と感じるほど曲作りを愛しており、スタジオでは常にステージでの振り付けや演出を想像しながら制作しています。今後の展開として『GRX 2.0』はすぐには予定していませんが、ZakyoやAntony Zといったグラナダの若手有望アーティストとのコラボレーションや、伝統的なサウンドの探求には強い意欲を示しています。また、マリア・ベセラなどの友人とのコラボレーションは、複雑な手続きがなくスムーズに進むため好んでいると明かしています。
【その他の活動と素顔】 音楽以外にも、Prime Videoでの自伝的ドキュメンタリーやMovistarの短編映画『GRX』など映像分野でも活躍しています。インタビューの最後には、料理やアクロバットは苦手だと明かしつつも、最近運転免許を取得したことを報告し、広く浅く何でも学びたがる好奇心旺盛な性格(自称:広く浅く何でも知っている「マリリエンドレ」)であることを語って締めくくっています。
インタビュー中出てくる2025年ゴヤ賞で披露した
「Verde que te quiero verde」
Prime Videoでの自伝的ドキュメンタリ『Lola Índigo: La Niña』日本では配信確認できず。
こちらもインタビュー中に出てきた、2024年にMovistar+で公開された映像作品。 「GRX」は、
Granada(グラナダ)の略称。
現状、日本からはかなり見づらい。この作品スペインの配信サービスMovistar Plus+ 向けの作品なので。
つまり、
彼女の“アンダルシア/グラナダ・ルーツ”
へ戻る作品。この時期のLola Indigoは、
それまでのクラブポップ、レゲトン、派手なポップスター性から少し変化して、グラナダ文化、フラメンコ、Lorca、土地の記憶、スペイン南部の空気へ強く接近していく。
EP『GRX』自体も、
かなり“グラナダ色”の強い作品だった。
そして同じ時期のインタビューをもう1つ『jenesaispop.com』インタビューの詳細要約(2025年3月28日公開)
Lola Indigo: “Parece que necesitas un feat masculino para que te consideren hit” – jenesaispop.com
Lola Indigo habla sobre ‘Nave Dragón’, su nuevo disco, sobre
jenesaispop.com
■ 100%のレゲトンへの挑戦と、プロデューサーTunvaoとの相性 前作『GRX』とは対照的に、『Nave Dragón』は全10曲中ほとんどがストレートなレゲトンです。デビュー以来、自分の意思とは関係なくプレイリストの都合で「レゲトン」のラベルを貼られてきたため、「それなら本物のレゲトン・ビートとラップを入れてやる」と決意したと語っています。 この変幻自在な楽曲構成を支えるのが、プロデューサーのTunvaoです。Manuel Turizoとのコラボで1億回再生目前のヒット曲『1000cosas』におけるボーカルチョップ(音の切り貼り)もTunvaoのアイデアでした。彼女は彼を、変なエゴを持たず自分がプロデュースに介入することを許してくれる「守護天使」だと絶賛しています。
■ ヒット曲への意外な反応と、隠されたメランコリー 彼女にとって『1000cosas』は雰囲気が暗く、ここまでヒットするとは予想していませんでした。また、過去の大ヒット曲『La niña de la escuela』についても、当初「BritneyやSpice Girlsのような甘い曲(fresa)」というオーダーで作られたため、実はひどく嫌悪感を抱いており、現在はロックやハイパーポップにアレンジして何とか歌っていると告白しています。 一方で、華やかなレゲトンアルバムに見える今作には、2024年末から2025年初頭の彼女の憂鬱が反映されています。「明るいメロディに悲しい歌詞」を乗せるのが好きで、『Sin Autotune』は一見ラブソングですが、実は「過去の生活への郷愁(ステージに立ちながら地元の祭りにいる友人を恋しがる気持ち)」を歌っています。過去の曲『El tonto』も元恋人ではなく、自分を蔑ろにした元マネージャーへの怒りの歌だと明かしました。
■ 業界の「男性客演必須」の風潮への怒りとジェンダー問題 収録曲『Misión』では、自身の声を低く加工し、男性が歌っているように聞こえる実験を行っています。これは「ヒット曲として認められるには男性アーティストのフィーチャリングが必要」という業界の風潮に心底腹を立てているためで、「誰が歌ってるの? 残念でした、私だよ」という強烈な皮肉を込めています。 さらに、Spotifyの主要プレイリスト「Éxitos España」等で女性アーティストが15%しか選ばれていないというデータに対し、「エディターはリスナーが求めるものをただ流すのではなく、もっと新しいものを提案する魔法の杖を使うべき。女性にも最高の曲はたくさんある」と苦言を呈し、別のプレイリスト「PEGAO」の選考基準は「男であること」だと痛烈に批判しています。
■ スタジアム公演の裏側と、採算度外視のステージ演出 ベルナベウ・スタジアム公演の突然の中止について、直前まで不透明な対応をされたことに不満を漏らしています。しかし、あるブランドの予約キャンセルによって奇跡的にワンダ・メトロポリターノでの振り替えが決まったことには深く感謝しています。彼女が最も心を痛めたのは、日程変更によってファンにホテルや新幹線などの再手配という経済的負担を強いてしまったことであり、「階級意識を持つ必要がある」と語っています。 このスタジアム公演について、彼女はレディー・ガガやビヨンセなどのディーヴァを研究し、ありきたりなセット提案をすべて却下しました。自らデザインしたステージは、300度を囲む形、高さ27メートルのプリズムタワー、そして「ドラゴン、魔女、少女」を象徴する3つのステージで構成される前代未聞の規模です。彼女は「今後二度とスタジアムでできないかもしれないから、すべてを懸ける。スタジアムで1セントも儲けるつもりはない」と、収益を全額制作費に注ぎ込む覚悟を語っています。
■ Quevedoからの愛と、ファンの行き過ぎた干渉(ファンスプレイニング)への反発 辛い時期を支えてくれたのは、アーティストのQuevedo(本名ペドロ)でした。レコード会社や単なる友人の承認ではなく、同志としての彼の純粋な愛と励ましが、彼女に自信を取り戻させてくれました。 また、チャートの順位や作風に執着し、「この曲は失敗(フロップ)だ」と騒ぐ一部のファン(彼女は「ファンスプレイニング」と呼びます)に対しては、「全曲をチャート1位にするために作っているわけではない」と反論しています。『Pesadillas』は単にホラー映画のようなものを作りたかっただけでトップ50入りなど狙っておらず、過去の曲『Spice Girls』も友達とピンクのリムジンに乗りたかっただけだと語り、アーティストとして純粋に楽しみ、変なことに挑戦する自由を認めてほしいと強く主張しています。
