山陽特殊製鋼(兵庫県姫路市)が、親会社の日本製鉄(東京)に吸収合併され、解散することが決まった。陸上競技部の活躍が注目を浴び、山崎豊子の小説「華麗なる一族」のモデルともされる地域の一大企業の名前が、2027年4月に消える。(田村創、坂木二郎)
吸収合併される山陽特殊製鋼の本社(兵庫県姫路市で)
13日、両社が発表した。中国の輸出攻勢やインドの経済成長などで鉄鋼業界は世界的な競争が激化しており、「あらゆるリソースをさらに一元的に融合させることで、成長戦略を加速・推進する」としている。
山特は1933年、山陽製鋼所として創業した。戦後は東京証券取引所に株式上場して社名を山陽特殊製鋼に変更したが、過剰投資などにより65年、会社更生法の適用を申請。当時は「戦後最大の倒産」と言われ、一連の経緯は「華麗なる一族」にも引用されたという。富士製鉄(現日本製鉄)の支援を受けて再建し、2025年、日鉄の完全子会社になった。
姫路市飾磨区には本社や工場があるが、山特では「合併に伴う雇用の変更はない」としており、工場は日鉄瀬戸内製鉄所の山陽地区として存続する。陸上競技部は「活動を前提に検討する」とし、JR姫路駅などの企業広告、CMなどの扱いについては未定という。
日本選手権男子3000メートル障害などで優勝した陸上競技部の篠藤淳監督は「少し寂しいが、名前が変わっても選手たちのやることは変わらない。競技に打ち込み、さらに上を目指せるよう私たちも練習環境を整えていく」と述べた。
解散の発表を受け、姫路商工会議所の斎木俊治郎会頭は「地域の産業と雇用を長年支えてきた。長年親しまれてきた社名がなくなることに一抹の寂しさを感じる」とし、姫路市の清元秀泰市長は「地域経済や雇用への影響を注視しつつ、地域産業の活性化、成長につながることを願う」とするコメントを出した。

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