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高市早苗首相がオーストラリアとベトナムを訪問し、首脳会談を行った。
今回の歴訪は海洋進出や経済的威圧を強める中国を牽制(けんせい)する狙いがあった。
両国の首脳と重要鉱物のサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化など経済安全保障での連携を確認したのは妥当である。オーストラリア首相とは防衛協力の向上でも一致した。いずれの課題についても具体化を急ぎたい。
ベトナムでは外交演説で「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を進化させると表明した。防衛装備品などを無償供与する政府安全保障能力強化支援(OSA)の対象国や事業規模を拡大する。
日本はオーストラリアや東南アジア諸国との連携を進め、地域の平和と安定に主導的役割を果たさねばならない。とりわけ日豪はFOIP実現の中核である。米国とともに中国の脅威を抑止していく必要がある。
日豪両首脳が発表した経済安保協力に関する共同宣言では、中国を念頭に「重要鉱物に対する輸出規制に強い懸念」を表明し、経済的威圧に共同対処する方針を示した。
海上自衛隊の最新鋭護衛艦「FFM」(もがみ型)能力向上型をベースとした豪海軍新型艦の共同開発を通じ、防衛産業間の協力深化も盛り込んだ。海自と豪海軍の相互運用性が高まる意義は大きい。
安全保障協力に関する声明も出し、優先事項としてインテリジェンスの協力や防衛能力の共同開発・生産などを挙げた。
ベトナムの首相との会談では、ホルムズ海峡の事実上の封鎖で影響を受けるベトナムの原油調達を、日本が官民で支援する方向となった。中東情勢の悪化を受けて高市首相が創設を表明したアジア各国への支援の枠組み「パワー・アジア」の第1号案件になる見通しだ。
ベトナムは中国と経済的結びつきが強いが、その一方でフィリピンとともに南シナ海で領有権をめぐり中国の軍事的脅威に直面している。
今回、フィリピンには小泉進次郎防衛相が訪問した。日本政府はフィリピンのマルコス大統領を今月下旬、国賓として日本に招待する。東南アジア諸国が中国に取り込まれないように、日本は同志国連携の働きかけを一層強めていくべきだ。
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2026年5月6日付産経新聞【主張】を転載しています
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