旧閑谷学校 (岡山県)
日本遺産の第1弾として、2015年に認定された18件のストーリーの一つ「近世日本の教育遺産群―学ぶ心・礼節の本源―」。水戸市や栃木県足利市、大分県日田市と共に選ばれた教育遺産の中核を成すのが岡山県備前市の国特別史跡「旧閑谷学校」だ。
新緑に包まれた旧閑谷学校講堂(岡山県備前市で)
旧閑谷学校は1670年、学問の機会均等を図る岡山藩主・池田光政の構想によって開校された。家臣ばかりでなく、民間や他藩の子弟にも入学が許されたことから、「世界最古の庶民のための公立学校」といわれている。
中でも国宝の講堂は、開校当時から1964年まで断続的に学校として使用された建物がそのままの姿で残されている。約3万8000平方メートルの広大な敷地内には講堂を始めとする25棟の国重要文化財がある。
講堂で定期的に行われている論語の講義(旧閑谷学校で)
多くの人たちに学びの喜びを実感してもらうことを目的に、貴重な講堂では今も毎月、論語を伝える講義が行われている。史跡を保守・運営する「顕彰保存会」の職員が講師を担当。講堂内に入場できる貴重な機会とあって、全国から多くの受講者が訪れる。
4月19日に行われた今年度最初の講義では同会理事長の国友道一さん(76)が講師を務め、教育の意義や三つの徳「仁・知・勇」、何事も自力で達成して責任転嫁をしないことなどを説いた代表的な論語の章句を受講者と一緒に読み上げた。
学校に近接する和気町に生まれ育ち、旧閑谷学校の伝統と精神を引き継ぐ県立和気閑谷高校の卒業生で、校長も務めたことのある教育者の国友さんは、「争いの絶えない時代だからこそ、旧閑谷学校から、相手の気持ちを思いやる心を伝えたい」と話している。(岡山支局 新居重人)

旧閑谷学校の教育施設群の多くの屋根には全国的に知られる「備前焼」の特注瓦が載せられている。このことから焼き物をテーマにした日本遺産「きっと恋する六古窯―日本生まれ日本育ちのやきもの産地―」の構成文化財にも選ばれている。入場料は大人450円、小中学生100円、65歳以上は230円。開門時間は午前9時~午後5時。休館日は年末のみ。問い合わせは、史跡受付(0869・67・1436)へ。
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