井上翔太

藤井みさ

2026/05/03

(最終更新:2026/05/03)

日本インカレ女子10000mで2位に入った名城大学ルーキー・木村真桜(すべて撮影・藤井みさ)

天皇賜盃第95回日本インカレ 女子10000m決勝

4月24日@レモンガススタジアム平塚(神奈川)

優勝 サラ・ワンジル(大東文化大学4年)31分23秒69=大会新
2位 木村真桜(名城大学1年)32分31秒56
3位 臼井瑠花(筑波大学2年)33分44秒15
4位 飯田和代(日本体育大学3年)33分48秒67
5位 隅田美羽(玉川大学4年)33分51秒19
6位 白川朝陽(筑波大学3年)33分53秒45
7位 三宅優姫(拓殖大学3年)33分55秒08
8位 小林日香莉(東北福祉大学4年)34分00秒49

4月24日に開催された第95回日本インカレで、名城大学のルーキー・木村真桜(1年、茨城キリスト)が日本選手トップとなる2位に入った。米田勝朗監督に直訴し、初めて挑んだ10000mで好成績。秋以降の駅伝シーズンで楽しみな選手が現れた。

「距離に不安はなかった」

日本インカレは例年9月に開催されているが、男女の10000mだけは暑熱対策のため、この時期に開催されている学生個人選手権の中で行われた。レースは31分48秒44の大会記録を持つ大東文化大学のサラ・ワンジル(4年、帝京長岡)らが出場。ワンジルは自身の記録更新を狙ってスタートラインに立ち、実際に号砲が鳴ると早々に飛び出した。

初の10000mにも、距離に対する不安はなかったという

出走した21選手の中で、最も内側からスタートした木村は、スタート直後の位置取りがうまくいかなかった。ワンジルの背中を追いかけたいが、集団の中に埋もれてしまい、スピードを上げようとしたところで自重。抜け出せたのは、1周目のバックストレート中盤に差し掛かってからのことだった。

「レースプランとしては、サラさんに付いていけるところまで付いてチャレンジするというものでした。でも、スタートで思うように前に出られず、中途半端なレースになってしまったのは反省点です」

序盤から一人旅になったが、「距離は長い方が好きなので、不安は特になかったです」と木村。レース後半には3位集団に1周差をつけ、ラストもペースアップ。32分31秒56で自身初の10000mを走りきった。

中学の頃から駅伝で連覇しているチームを見てきた

茨城キリスト高校時代は「全国で活躍するような結果を出せていなかった」。全国高校駅伝(都大路)は3年連続でエースが集まる最長区間(6km)の1区を任されたが、1、2年時は区間16位。昨年も区間12位と1桁順位をつかむことはできなかった。

「大学でやるなら、優勝をめざすチームでやりたい。その中でも、ずっと中学の頃から連覇している名城大学さんを見てきたので、自分も駅伝を走ったり、個人でも日本代表になったりして、強くなりたい」と考え、強豪校に進むことを決意した。

すぐに一人旅となる中、一定のペースで押し切れたのは好材料だ

実際に入ってみたら、競技に対して意識の高いチームメートばかりだった。米田監督の指導も「自分の体のことをすごく気にかけてくださる。自分自身がまだコントロールできていないところなので、感謝しています」。改めて「ここで頑張ろう」という気持ちが高まるとともに、「この仲間と一緒に駅伝で優勝したい」という思いを新たにした。

「今目標にしている先輩やランナーはいますか?」と尋ねると、「目標というよりは勝ちたい」相手として、真柴愛里(1年、長野東)の名前を挙げた。都大路では高校2年時に1区区間賞、昨年は留学生も走れる3区(3km)で区間新記録を樹立した世代屈指のランナーだ。

「駅伝で一緒に1区を走ったり、クロカンでも走ったりしてきて、ずっと遠い背中を見てきた。今こうやって一緒に練習できているので、先輩も含めて『目標』というよりは勝ちたいっていう気持ちがあります」

ラスト1周、最後の力を振り絞る

「ハーフマラソンにも挑戦していきたい」

ストイックに競技と向き合う仲間たちと高め合い、駅伝では「二冠」という共通の目標に向かう。そんな”名城らしさ”が木村にも備わっているようだ。初めての10000m挑戦は「自分は距離が長ければ長いほど力を出せる。10000mにも慣れていけたら、ハーフマラソンにも挑戦していきたい」という思いがあり、米田監督に申し出た。3月の記録会で5000mを走り、15分46秒58をマークして今大会の申し込み資格記録を突破して挑戦権を得た。

「米田監督からも『練習だと思って走れ』と言われていたので、ペースは意識せずに、とにかくサラさんの背中だけを見て走りました。時計もつけず、ピッチを落とさないことを意識していました」。レースを終えても、日本選手トップの充実感よりも悔しさの方が大きかったと明かす。これは本人が考える伸びしろの裏返しだろう。

名城大は昨年、学生個人選手権として開催された女子10000mで当時ルーキーの細見芽生(2年、銀河学院)が2位、橋本和叶(2年、新潟明訓)が3位に入った。2人とも1年目から駅伝メンバーに選ばれている。木村も同じ道を進めるか。真柴とともに絡んでくるようなら、2年連続で駅伝無冠のチームを復活させる原動力になるかもしれない。

1年目から駅伝メンバーに絡めるか、今後が楽しみだ

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