田辺ファーマ株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役CEO:原田明久)の完全子会社であるニューロダーム社(本社:イスラエル レホボト市)が開発したレボドパ/カルビドパ持続皮下注製剤「Onerji®」(開発コード:ND0612)について、経口剤では十分にコントロールすることができない運動症状の日内変動を有する進行期のパーキンソン病の治療薬として、現地時間の4月27日に、欧州委員会(European Commission)より欧州連合(EU)における販売承認を取得しました。
Onerji®は、液剤化したレボドパとカルビドパを、携帯型注入ポンプシステム(YURWAY®デリバリーシステムまたはCrono Twin NDポンプ)を用いて24時間持続皮下投与する薬剤で、レボドパの血中濃度を持続的かつ安定的に維持し、薬物動態プロファイルの改善が見込まれます。
運動症状の日内変動を有するパーキンソン病患者を対象に実施したグローバル第3相臨床試験(BouNDless試験)では、Onerji®を必要量のレボドパ・カルビドパ経口剤と併用したところ、レボドパ・カルビドパの経口即放剤と比較して、日常生活に支障のあるジスキネジアを伴わないON時間を統計学的に有意に延長するとともに、OFF時間で統計学的に有意に短縮する結果が示されました。また、長期安全性と忍容性を評価する後期第2相長期安全性試験(BeyoND試験)でも、良好な結果が得られています。
ND0612(EUにおける製品名:Onerji®)は、レボドパとカルビドパ(LD/CD)を液剤化し、注入ポンプを用いて運動症状の日内変動を有する進行期のパーキンソン病患者さんに24時間持続皮下投与する治療薬です。経口のLD/CD治療では、レボドパの血中濃度の変動により安定した臨床効果を得るのが難しいというアンメット・メディカル・ニーズがあります。ND0612は、LD/CDを持続皮下投与することで、従来の経口治療と比べてレボドパの血中濃度を持続的に安定させ、薬物動態プロファイルを改善することを通して、パーキンソン病患者さんの運動症状の日内変動を減少させることが期待されています。
パーキンソン病の患者数は世界におよそ1千万人以上と言われています。1 パーキンソン病は、中脳にある黒質のドパミン神経細胞が変性し、神経伝達物質のひとつであるドパミンが減少することで引き起こされると考えられています。2 運動症状としては、運動が減少する無動(もしくは運動緩慢)を主要症状として、振戦(手足のふるえ)と(筋)強剛(こわばり)の3大症状に加え、姿勢保持障害があります。3 また、睡眠障害、精神・認知・行動障害、自律神経障害、感覚障害等の非運動症状も伴うことが知られています。3 根本的な治療方法はないものの、減少しているドパミンを補って抗パーキンソン病効果を示すレボドパが治療剤として用いられています。3 レボドパはカルビドパと併用して、多くのパーキンソン病患者さんに経口で投与されています。4 一方で、経口剤のレボドパでは、レボドパの血中濃度の変動が、薬が効きすぎて生じる不随意運動(ジスキネジア)や薬の効き目が切れるウェアリング・オフなど、日常生活に支障をきたすような運動合併症状の一因となります。5
中枢神経領域の治療薬に関して、新たな製剤研究や、医薬品と医療機器とを組み合わせる優れた技術開発力を有するイスラエルの医薬品企業で、革新的な技術を通じて治療の負荷を軽減し、患者さんとその家族の生活の質を改善することをめざしています。田辺ファーマは、研究開発の重点領域に定める中枢神経領域でパイプラインを拡充するため、2017年10月に完全子会社化しました。www.neuroderm.com
