『Go J1からGo Asiaへ』と銘打たれた中期経営計画のスローガン。責任企業を持たない地方市民クラブの雄にとって、壮大なビジョンに映るが、中期目標の計画を主導した小島社長はこう語った。

「個人的には壮大なビジョンだとは思っていません。『やれる』と思っています。人を活用し、戦える人材を導入すれば、クラブとしての成長率が上がっていく過程で絶対に実現できるというストーリーを描いて実現に向かっていきたいです。

 もちろん、大きいことを言ったからには自分にもプレッシャーは掛かっています。昨年の途中からは昇格争いをしていた分も、J1に行かなければいけないプレッシャーと戦ってきましたが、一度そのプレッシャーから解放された後は、周囲の皆さんが『ホーリーホックは凄い』と言ってくださることに、どこか違和感を覚えてきました。

 今の状況でお腹いっぱいになってはいけないと強く思いましたし、選手たちがJ1を戦うなかで、このクラブをアジアで戦わせたいという気持ちになったことが一番の理由です」

 小島社長も就任7年目。毎年のように右肩上がりでクラブの事業規模を拡大してきた個人的な自負はあるものの、その一方で今後のクラブの成長欲に対する“違和感の正体”が姿を現わしてきた。

 トップチーム人件費はJ1の中でも、下から数えた方が早い部類。それだけにJ1残留が現実的な目標であることは大前提としても、他クラブの成長速度を見れば、決して悠長に構えてはいられない。

「26/27シーズンも、27/28シーズンも、現実的にはJ1残留が目標です。ただJ1残留ばかりを口にすると、クラブ経営が“ジリ貧”になります。このクラブが夢と感動と一体感の共有を理念に掲げているなかで、ある程度、届くだろうという現実を見据えながら夢を語らないと、その次を目ざす刺激がないと、“守りの経営”になってしまいます。

 今回の中期経営計画を社長室のスタッフと膝を突き合わせた議論を重ねてきたなかで、何がクラブスタッフのモチベーション向上につながり、何がトップチームの現場にも刺さって、自分自身にとっての原動力になるかと考えた時に、『アジアを目ざそう』という結論に達しました」

 

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