「高知の中の世界・ワールドイン高知」と題して高知で暮らす外国人などを紹介しています。
2回目の今回は、留学生が急増している高知市の専門学校を取材しました。

4月16日の朝。高知市小津町の龍馬学園グローバル校舎に今年度(2026年度)、日本語学科に入学する留学生がやってきました。この日到着したのは東南アジアの国・ミャンマー出身の19歳から26歳までの若者19人です。
この時期、グローバル校舎の職員は大忙しで、それぞれの国から留学生が到着するたびに空港まで迎えに行きます。

留学生たちは到着後すぐに、グローバル校舎の教員たちと顔合わせをし、高知市に提出する住民届けの準備やこの日から入居する学生寮などの手続きにとりかかっていました。

若者たちはミャンマーにいる間に一定の日本語を学んでいますが、これから日本で本格的に日本語を学ぶためにやってきました。
なぜわざわざ高知で学ぶのでしょうか。

■留学生
「高知はきれい、とてもきれい。静かな町」
「先生も優しいし、高知は安全だと思うから」

学校法人龍馬学園が留学生を受け入れる日本語学科を開設したのは2018年で、今でも高知県内では唯一です。

初年度の入学者はわずか4人で翌年には18人となりましたが、その後3年間はコロナ禍で、ほとんど入国ができなくなりました。しかし、コロナ後の2022年以降は急速に増え始め、留学生の数は2025年に160人、そして今年は200人を突破。あわせて212人がいま龍馬学園で学んでいます。

留学生の受け入れを進めてきたのが佐竹新市理事長です。

■学校法人龍馬学園 佐竹理事長
「(県内の)去年の出生数も3000人余りという中で将来的に労働力になる人たちもどんどん減ってくる、そんな中でやはり高度人材として日本人と一緒に働ける日本語ができて、一定の技術や知識を持っている、そういう人たちを高知に残して育てていくという目的で留学生に取り組んで今年9年目になります」

佐竹理事長は職員と共にこれまでミャンマーやネパール、インドネシアなどを訪問してきました。

東南アジアの国々には日本語を学ぶ日本語学校があります。佐竹理事長は現地の先生や生徒を前に、留学説明会を開いて高知県の魅力や龍馬学園のカリキュラムを紹介し留学先として選んでもらえるようPRしてきました。

また、留学生1人1人を大切にしていて2022年6月にネパール人留学生が病気で亡くなった際には3か月後に遺族の元を訪れ、今でも遺族と交流が続いています

■佐竹理事長
「私もかなりの回数、東南アジア中心に行って。生活面でかなりケアをしているのは間違いなくて、そうすると例えば先輩が龍馬学園に来ていて、そこで良かったというとまた後輩が来てくれたりというのもあると思いますね。いま17か国(から来ている)」

佐竹理事長は3年前、日本語学科で学んだ留学生がさらに日本で働くための技術や知識を身に着けられるよう新たに国際ビジネス学科を開設しました。
この日行われていた国際ビジネス学科の1年生のクラスでは日本人が持つ「和の精神」=人と人との調和を大切にすることについて教えていました。

■講師
「私が優れているから私がすごいことをします。私が優れているから私にだけすごいお給料をくださいとかね、そういうようなシステムで働いているという国もありますが、日本は和の精神。一つの目的にみんなでチームワークでつながっていきましょうという、そこを大切にします」

独自の文化を持つ日本で働くため、留学生は日本社会のルールを覚えます。
国際ビジネス学科で学び始めたばかりの1年生たちに、高知の印象や将来のプランを聞きました。

■ネパール人留学生
「いま3年目、日本語学科、龍馬学園で2年間日本語学科で勉強して。2年間くらい高知に住んでいて高知は好きな所になった。一番好きな所というと室戸」

■スリランカ人留学生
「ホテルの業界で働きたいと思っています。ずっと高知で住んだ方がいいと思う」

■バングラデシュ人留学生
「僕の将来はマネジメントをしたい、自分のビジネスをしたいので、ここで国際ビジネスを学びたい、だからここで勉強してます。前は高知に来てから東京行きたいなと思ったんですけど、2年経って、ずっと高知の人になりたい」

国際ビジネス学科ではこの春、第一期生が卒業を迎え、14人のうち13人が高知の企業に就職しました。

一方で課題も様々あります。
龍馬学園の留学生はほぼ全員が私費留学で、国から補助金などをもらっていないため、経済水準が日本と比べてかなり低い国の学生には経済的負担が重くのしかかります。

また、全国と比べ外国人が少ない高知県で外国人が地域に受け入れてもらえるかも課題です。

この点において、龍馬学園では地域と交流できる多文化共生イベントを企画したり日本のルールを定期的に留学生に教えたりしていて、今では地域の人が高知でがんばる留学生のために、野菜などを無償で提供してくれることもあるそうです。

佐竹理事長はいま留学生が高知の企業でスムーズに働けるよう新たな支援組織の立ち上げに向けて動いています。

■佐竹理事長
「採用したい、人が足りないから採用したいんだけれどもどうやったらいいか分からないとか、法律面だとか実際に外国人を雇用してどういう所が大変なのかっていうこともきちっと一緒に勉強をして雇用しやすいような環境をつくっていけば、そうするともっとスムーズに(留学生が)高知の地域に入っていけるんじゃないかなと思っています」

新たな支援組織の名称は「高知県留学生支援会」で、佐竹理事長は年度内の発足を目指すということです。

毎年約1万人ずつ減少し、2026年4月に推計人口が64万人を割り込んだ高知県で、日本語を流ちょうに話し、日本文化やルールを学び働く意欲にあふれた若い留学生たちの存在は1つの希望となりそうです。