【Bリーグ】辻直人『今日負けたらシーズン全部終わり』GAME2宇都宮に勝利で1勝1敗 CSを見据えた不退転の決意

「プレーで引っ張る」
逆境を乗り越えるベテランの想い
ここぞで決め切る辻直人は、その一瞬で、試合の流れも、会場の空気も変わる。

東地区首位・宇都宮、2位・群馬。
勝差「3」、残り5試合。一つの結果で順位が揺らぐ、極限の終盤戦となっている。
その宇都宮とのGAME2。負ければ連敗、そして流れを手放す一戦で、辻直人がその存在価値を証明した。

東地区首位を争う直接対決。GAME1は宇都宮が制し、迎えた絶対に落とせないGAME2。序盤は宇都宮が主導権を握る展開となったが、群馬は後半にかけて流れを引き寄せ、逆転勝利を掴んだ。CSへ向けて、シーズンは最終局面へ。その中心で、辻直人がチームを支えている。プレーで流れを変え、精神面でも軸となる存在。ここぞで決め切る強さ。その裏にある思考と想いに迫る。

試合直後、貴重な時間の中で語られた言葉。いつも明るく振る舞う姿の裏にある想い。勝利直後に見せた疲労と安堵の表情が、この一戦の厳しさを物語っていた。
それでもなお、笑顔で対応する姿にプロフェッショナリズムを感じさせる。

Jbasketスペシャルインタビュー🎙️

J:(辻選手を見て)ほんとにすごい試合でした。


「いやいや、すいません(笑顔)。」

J:宇都宮戦1勝1敗、すごかったです。


「はい、もうプレーオフのつもりで戦っていたので。GAME1を負けてしまって、今日はその、バウンスバックというか、2連敗をしては絶対いけないと…絶対に負けてはいけないゲームだと思って挑みました。
トレイ(・ジョーンズ)がいないとなってからも、トレイが得点面でも、現実的に担ってくれていた部分は大きかったですけど。
でも、シーズンを通して彼のいない時間帯や期間でもプレーしてきたっていう、その経験をこの試合で活かせたんじゃないかなと思って。すごいその経験が活きた今日の試合だったのかなと思ってます。

J:GAME1の試合の悔しさを引きずらず、GAME2で、逆転して勝つっていうところは本当にすごいなと思ったんですけど、どういう風に切り替えられたんですか?


「本当に、CSのつもりだったので。
『今日負けたらシーズン全部終わり』っていうぐらいな気持ちでやってました。CSだったら、もう1回チャンスがあるっていう展開に持っていけるので。そうなったらね、またどうなるか。3連戦というのはやっぱりCSでしか経験できないので。そこはまた体力勝負というか、チームの完成度の勝負っていうところになってくるとは思うんですけど。でも、GAME1の負けからゲームの終わり方っていうところはすごく学ぶことができました。
やっぱり試合巧者である相手から学ぶことが多かったので。今日はそういうところもみんなで集中して、最後に締めくくりというか、ヘッドコーチも言ってましたけど、いい締めくくり方はできたんじゃないかなって思ってます。」

J:相手のディフェンスを剥がす動き、マークを剥がすのは、東芝(川崎)時代から見てますけど、さすがだなって感動すら覚えるプレーです。自身では何を意識されていましたか?


「本当コー(コー・フリッピン)が良い形で見てくれていたんで、彼のアシストっていうところもありがたかったです。僕にスクリーンをかけてくれるセットプレーもあって、そういうところで、やっぱりね、年齢で劣らないようにトレーニングっていうのもしてきました。シーズンを通して、シーズン前からですけど、そういった成果がやっぱりこういったところで出せたのかなと思います。やっぱり「やればやるだけ」結果として……動きもそうですけど、スタッツに残る残らないは別として、相手の脅威にまだなれるっていうところは、オフェンスに関してはあります。自信もあります。そういったところは出せてよかったと思います。」

J:ファン目線からの質問で、比江島選手とのマッチアップ、写真で見ると結構バチバチにやり合ってましたよね。いかがでしたか?


「彼にやられてはいけないっていうね、チームとしてはそういうプランもある、、プランというか、お互いですよね。
時代を重ねてきても、そういう(ライバル関係を)今日感じたというか。
もうやっぱりこういう試合っていうのはすごく駆け引きというか、そういうところがすごく楽しいです。そこでね、昨日と今日とシュートも入りましたし、いいタイミングでも入ったのかなと思うので、それは本当嬉しいですね。」

J:最初のスリーとか、コーナーから一歩前に出て決めたシュート、アリーナの盛り上がりが本当にすごかったですね。


「本当ですか。あれ、3Qの終わり際ぐらいですかね? あれで同点(に追いついて)。めちゃめちゃいいタイミングでしたからね。あれからジリジリと逆転して、アシストもありましたしね。
あの時間帯はやっぱり「ここは自分だ」っていうぐらいな気持ちでやってますし。さっきも言いましたけど、コーがね、そういったところでお膳立てじゃないですけど、ガードとして自分を使ってくれたっていうところは、いいコネクションというか、そんなのができたんじゃないかと思います。」

J:辻選手は川崎で天皇杯連覇もされていますし、まさに試合巧者同士の戦いというゲームだったんですが、今は冷静に振り返っている感じですか? それとも熱い感じですか?


「今は冷静ですね。やってる時はね、やっぱりブザーが鳴った時とかは、こうなんていうか報われた感じ、GAME1の悔しさも晴れた感じでありましたけど。
でも、やっぱりGAME1も勝てたんですよね、本当は。だからその終盤、やっぱり自分たちが慌ててしまって。そこをやっぱりコントロールする選手がいなかったっていうところが自分たちの反省点です。そこがね、もうちょっとあの時間帯でコントロールして、ゲームメイクをしていければ、また全然違った展開になったと思うんですね。
第3クォーターで逆転して、第4クォーターに入って、そっからですよね。第4クォーターの残り5分ぐらいの時の試合運び、そういうところはもうすぐ来るCSではすごい大事な時間帯なので。けど、GAME1の経験ができたから今日の試合(GAME2)があって、また今日があったからCSがある、っていうところに繋げていけたらなと思います。」

J:今、順位争いが激しいてすね。ファンにはどきしたり楽しめたりです。


「昨日まで2位だったのがいきなり5位ぐらいまで下がったり。なんやねん、それ(笑)。でも見てる人は楽しいでしょ。

J:見てる人は一番楽しいです。みんなタイムアウトの時とかにチェックしてますよ。「どこどこ勝ってるよ!」って。


「確かに(笑顔)。」

J:チームで、こうした厳しい時に共有しているもの、経験から伝えていることがあれば教えてください。


「GAME2に関してはトレイがいないっていうところで、『もうプレーで引っ張っていかないといけないな』と思ってました。ハーフタイム、僕から言うことも特になかったですし、7点ビハインドでしたけど、もう3Qから僕が出ると思ってたんで、そこからコート上で引っ張っていけたらなと思ってました。
もちろん、(何か言うか)迷ったんですけど、でも経験豊富な選手も多いですし、ここからのCSまでの過ごし方というところで、本当にブレないようにやらないといけないなと思ってます。
また僕がコートに最初から出るんであれば、コート上で引っ張っていけたらと思いますし。控えから出るような展開であれば、後押しするようなコメントをしてやりたいなと思ってるんで。
だから、今シーズンやってきたことっていうところが、こういう終盤の勝ったり負けたりが大事なところでも、もしくはCSになっても、そこはブレてはいけないと、そこを信じてやっていくっていうところが大事かなと思います。それはまた、みんなに伝える時が来れば伝えたいなと思います。」

J:ファンのみなさんへ


「僕たちの結果で一喜一憂をぜひしてもらってですね、勝って喜んで、負けて落ち込んで。それがもう僕たち選手としても、Bリーグとしても醍醐味の一つだと思っています。
皆さんの生活の一部となっているということは嬉しいですし、そこは一喜一憂してもらって欲しいですね。
また、僕はもうCSにも出るつもりでコメントするんですけど、CSで待ってるんで。その時にまた、昨シーズンの悔しさっていうのを思い出してもらって、一緒に戦ってもらえたらなと思います。」

Jbasket視点
辻直人から強く感じたのは、終盤を支配する選手の存在価値だ。負ければ終わり。その緊張感の中で、自ら流れを引き寄せにいき、エース不在でも揺るがない判断力と遂行力を見せる。比江島慎とのマッチアップでも見せた、経験と意地がぶつかり合う駆け引きも。ただの1本ではない、試合の流れを変える1本。その重みを知っているからこそ、あの場面で決め切れる。

今の順位争いは混戦。一つの結果で景色が変わる。だからこそ問われるのは、何を信じて戦うか。辻直人は、その答えをコート上で示している。終盤に強いチームには、必ずこういう選手がいる。

ここから先は結果がすべて。その中で問われるのは、流れを変える力、そして試合を締め切る力だ。
辻直人は、そのどちらも持っている。
だからこそ、この終盤戦で存在価値が際立つ。その中心にいるのが、辻直人だ。