2025年9月、高知市に新たなアートの拠点が誕生しました。
計画したのは地域でマルシェを営む女性です。なぜ計画したのか、そしてどんな拠点ができたのか。完成までの4か月を追いました。

高知市潮新町にある、小さな商店。
代表の徳平仁美さんは2021年に店を開業。
「仲間が集まる市場のような店」をイメージしてフランス語でコパンマルシェと名付けました。

店では地元で穫れた新鮮な野菜のほか15人ほどの作家の作品を取り扱っていて海洋生物柄の文具など個性豊かな作品が所狭しと並びます。
徳平さんは作家たちの活躍を応援したいとある計画を立てていました。

■コパンマルシェ代表 徳平仁美さん
「こっち、ギャラリーにする予定です。こちらはアトリエで作家さんが作業する場所にしたい」

徳平さんが計画しているのは敷地内にある築50年ほどのアパートを改装してアーティストが作品の制作や展示販売する拠点を作るというものです。

■徳平さん
「高知には作家やアーティストが活動できる場所、作品を作る場所が少ないのでそういうところが高知にもあったらいいなと思って」

各部屋の廊下側にはこんな仕掛けも考えました。

■徳平さん
「こちらがショーケースをイメージしていて廊下側からそれぞれの作家さんの作品が見えるようにしたい」

アパートは9部屋で賃料は1部屋あたり月3万円。
もともとのデザインや建具を活かしてリフォームする計画です。

■徳平さん
「こういう古い建物の利用価値がまだまだあると思う。それを知ってもらうことと大事にしていくということを改めてできたら」

壊して新しく作る方が簡単ですが徳平さんは古い建物の良さを活かしたアートの拠点を作りたいと考えていました。

■徳平さん
「こういうガラスは今はもう作られていない。こういうものも使っていきたい。ここでは使いませんけど 別のところで。楽しみにしてください」

それから2週間あまりが経った日曜日。

■子どもたち
「いただきまーす」

子どもたちが食べているのは夏野菜がたっぷり入ったカレーです。徳平さんは毎月第4日曜日にアパートの横の駐車場で仲間と一緒にこども食堂を開いています。
カレーライスは子どもは無料、大人は200円。野菜が苦手な子どもたちにも地域のお年寄りたちにも大人気です。
徳平さんはこの日、子どもたちにあるお願いをしていました。
一緒に向かったのは改装中のアパートです。

お願いしたのは部屋の壁に漆喰を塗る作業です。
はじめての左官体験に子どもたちは真剣なまなざしで取り組んでいました。しかし、しばらくすると。

■左官を体験した子ども
「めっちゃしんどい」

プロの職人のすごさも肌で感じたようです。

■徳平さん
「楽しんで大きく塗ってくれているので芸術家が生まれるんじゃないかなと思う。(子どもたちのアート作品ですね)そうですね。みんなとっても上手です」

一体どんな空間が完成するんでしょうか。
そして9月。

完成したアパートの名前はコパン荘。9部屋のうちすでに8部屋が入居していました。

もともとの建具を活かしながら、入居するアーティストの希望をもとにそれぞれ異なるデザインを施した部屋は空間そのものが個性豊かなアート作品のようです。
また工房をのぞき、アーティストとお客さんが交流できるのもコパン荘の特徴です。

■徳平さん
「生成りで仕入れているので色を染めるときは自分で染めている。こだわりは特にないんですけど 素材を活かしてシンプルに作れたらいいなと」

コパンマルシェに作品を置いていた縁で入居した革職人が工房で一から作る革製品。さらに生花やリースを移動販売する小橋さんは10月から入居をはじめ部屋全体に様々な植物やフラワーアートを配置しています。
作家それぞれが作る空間を徳平さんも楽しんでいました。

■徳平さん
「作家さん一人一人がすごくて、相乗効果っていうんですか。どんどん上行っちゃってどこまで行くんだろうって。わくわく感でいっぱいです」

そして子どもたちが一生懸命に漆喰を塗った部屋は共有スペースになっていました。
この日、共有スペースで作家同士がはじめて顔を合わせました。
話をするうちにさっそくいろんなアイデアが浮かんだようです。

徳平さんは新たなアートの拠点がわくわくするコミュニティの場になることを願っていました。

■徳平さん
「作家さんたちにすごく刺激をもらう。作家さん同士もいろんな刺激を受けてどんどん活躍していってほしい。人とアートとつながって、文化の発祥地とはいきませんけどそういう場所になったらいいなと思う」

アートを軸に仲間が集まるコパン荘。ここからどんな文化が生まれるのか、注目です。

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