リスペクトあふれる舞台
今年、創立103周年を迎えたOSK日本歌劇団のレビュー公演「EXPO2025!! REVUE OSAKA」が19日、クールジャパンパーク大阪TTホール(大阪市中央区)で開幕した。OSK出身の国民的歌手・笠置シヅ子の半生を描いたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」の橘アオイ役でも注目されたトップスター翼和希(つばさ・かずき)らが出演する和洋のレビュー2本立て。OSKは大阪・関西万博を盛り上げる大阪国際文化芸術プロジェクトの一環として、同ホールで2023年から3年続けてレビュー公演を実施してきた。公演は23日まで。
第1部の日舞レビュー「菊秋萬白蘭盛宮(あきはよろづのはなのにぎわい)」、第2部の洋舞レビュー「METROPOLIS」ともに宝塚歌劇団演出部出身の荻田浩一が演出を手がけている。OSK観劇歴が長く、「ブギウギ」劇中のレビューシーンの演出も担当した荻田のつくるステージはOSKへのリスペクトにあふれている。
※以下の記事には作品の具体的内容(ネタバレ)が含まれます。
30余年の時を超えて
第1部の幕開き、咲き乱れる菊をたたえる琴の音に続いて拍子木が鳴ると、1992年秋、あやめ池円型大劇場(奈良市、2004年閉場)で上演された「ダンシングOSK~秋のおどり」(東雲あきら、吉津たかし=宇陀市出身、友美愛らが出演)の冒頭で歌われた曲から、新たなレビューが始まる。同期のトップコンビ翼と千咲えみ(ちさき・えみ)、男役スター華月奏(はなづき・そう)、娘役スター城月れい(きづき・れい)らが、30年余り前、あやめ池で活躍した大先輩たちに負けない見事な扇さばきで舞うプロローグで、観客を一気にレビューの世界へといざなう。
洋舞レビューを数多く手がけてきた荻田がOSKで本格的な日舞レビューを演出するのはこれが初めて。荻田は公演プログラムに寄せた文章で「自分自身のノスタルジーとオマージュを込めてお届けしたい」と述べている。
カラっと明るいOSK
能や歌舞伎舞踊で知られる「紅葉狩り」をメリハリのきいた洋楽に乗せ、躍動感たっぷりに表現したり、コブクロの大阪・関西万博オフィシャルテーマソング『この地球(ほし)の続きを』を2023年7月の同ホール公演と同じ、愛らしい振り付けで再演するなど、華やかに展開する第1部のラストはOSK得意の琉球舞踊を取り入れた場面だ。
陽気な「鳩間節」に続く、OSK版「魂をコンドルにのせて」が圧巻。宮沢和史とアルベルト城間による歌詞に込められた自由と平和を求める強い思いを、翼らの力強い歌唱と群舞で伝える場面だが、どんな時もカラっとした明るさを失わないOSKのポジティブさが根底にあることで、重苦しくなり過ぎることなく、より多くの人の心に届くエンターテインメントとなった。
18日夕に行なわれた公開ゲネプロ後の取材で翼は「この歌のメッセージ性を歌と踊りで表現することで、見てくださる方の心を揺さぶることができたら、一人一人ができることを探す後押しになるかもしれない。小さなことかもしれないけれど、そういうことを思いながらお稽古してきました」と語った。
スタイリッシュな『コテコテのOSAKA』
第2部は仮想の未来都市を舞台に主題歌「蜃気楼都市」を全員で歌い踊る幕開きから、大都会で交錯する恋人たちの恋模様などスタイリッシュな場面などに続き、気づけば、いつしかヒョウ柄衣装の「OBACHANG(オバチャン)」が「アメちゃんあげましょ」とこれまたスタイリッシュに踊りまくる洒落た展開。ラインダンスもこの流れで「NANIWA ROCKET」の面々が登場し、OSKならではの高速足上げを見せてくれる。
ロボットたちが登場する暗示的な場面は、人形振りならぬ『ロボット振り』のダンスも見事。情熱的な群舞をたっぷり見せるラテンのフィナーレから続くパレードは「ビロードの夢」に乗せて。
1949年、OSKの妹劇団SKDとの合同公演「秋のおどり」のテーマソングとして服部良一が作曲、藤浦洸が作詞した「ビロードの夢」は、その後もOSKの秋公演で歌い継がれた曲。続く客席降りで歌われる「ビバ!OSK」(横澤英雄作詞、中川昌作曲)も、かつて地方公演のフィナーレなどでよく歌われていた。締めくくりは、1930年に誕生したおなじみのテーマソング「桜咲く国」(岸本水府作詞 松本四良作曲)。
2003年の近鉄OSK解散後、歌われる機会が減っていた2つの歌と、長く歌い継がれてきた歌が荻田演出で『再会』し、翼はじめ2025年の劇団員たちが飛び切りの笑顔で歌ってくれる。
~~OSK日本歌劇団「EXPO2025!! REVUE OSAKA」~~
19日=14時・18時
20~22日=12時・16時
23日=11時・15時
料金9500円(全席指定)
申し込みはOSK日本歌劇団、電話06(6251)3091
公式サイト:https://osk-revue.com
