「あばれ祭」版画 励みに 金沢の教室 内灘・8番らーめんに贈る 

オーナーの山岸千太郎さん(左)に「あばれ祭」を描いた木版画を贈る日野理雄さん=内灘町鶴ケ丘で

店主はキリコ担ぎ手「復興応援できたら」 能登半島地震からの復興を願い、金沢市の木版画教室「ふきのとう会」が9日、内灘町鶴ケ丘の8番らーめん内灘店に、能登町宇出津地区の「あばれ祭」を描いた木版画を贈った。店は地震の液状化被害で休業していたほか、オーナー山岸千太郎さん(52)は祭りに助っ人で参加する「能登キリコ祭りを愛する会」の総代表も務める。山岸さんに木版画を手渡した会長の日野理雄(みちお)さん(86)=小松市=は「祭りは人を元気にする。復興に向けて頑張る人に見てほしい」と話す。(栗田啓右)

 木版画は7年前に半年かけて制作。暗闇に、男衆が川に落としたみこしを転がしたり壊したりする様子が勇壮に描かれている。大きさは縦40・5センチ、横53センチ。

 日野さんは定年退職後、木版画制作を始め、あばれ祭や能登町の「どいやさ祭」など県内の祭りを題材に約30点手がけてきた。制作前は祭りを見に行き、現地の雰囲気を体感することにこだわってきた。昨年元日の地震では「もう祭りがなくなってしまうのかな」と心配した。

 8番らーめん内灘店も被災したことを教室の生徒を通じて聞いた際、山岸さんがあばれ祭に、キリコの担ぎ手として15年ほど前から参加していることも知った。日野さんは「復興の応援ができたら」と作品の寄贈を決めた。

 山岸さんは能登地方に親戚がいて、小さい頃から能登の祭りに親しんできた。それだけに木版画を目にし「自分が見た光景がそのまま描かれている。迫力があって、また祭りをやりたくなる」と感慨深げ。

 同店は1年3カ月間の休業を経て、3月下旬に改装オープンし、連日多くの客で絶えない。一方で店近くの山岸さんの自宅は液状化で傾いたまま。山岸さんは「この状況に負けていられない。これからも頑張っていきたい」と前を向く。

 木版画は店内の入り口近くに飾られる予定。店は能登から来る客も多く、日野さんは「作品を見て『うちの祭りだ』と言ってもらえるとうれしい。元気になってもらえたら」と思いを込めた。

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