
後継者を募集している大窪栄一さん(中)=小松市符津町で
小松市が地元企業の後継者不足を解消しようと、マッチング支援サイト「ニホン継業バンク」の利用を始めた。8月からは同市符津町の老舗旅館「大くぼ旅館(ビジネスホテル大くぼ)」の経営者募集を掲載しており、市の担当者は「事業者には後継に向けて早めに動いてもらい、その背中を押したい」と話している。(井口愛梨)
市は2024年度に経済産業省中部経済産業局から事業承継支援のモデル自治体の選定を受け、金融機関などとの連携体制構築を目指している。サイトは売り手、買い手どちらも手数料無料で、事業主の名前と顔を出し、仕事の魅力ややりがいを紹介する。市が事務局となり、継ぎたい人を日本全国から募り、審査等のやりとりを担う。
同旅館の代表、大窪栄一さん(75)は5年ほど前から後継者を探そうと民間のサービスなどを利用してきたが、高額な手数料がかかったり、大手事業所が対象で意向に沿う後継者が見つからなかった。そんな中、はくさん信用金庫粟津駅前支店の担当者から継業バンクの紹介を受け、地元自治体が運営していることもあり、安心して任せられると考えて掲載に踏み出した。
旅館は鮮魚店を営んでいた先代の父が1966年に創業。21室の客室と大広間、大浴場を完備し、県内のスポーツ大会に出場する団体客や、ビジネス客などが多く利用している。長年かけて磨いた大窪さんの目利きで選んだ魚を使った料理や、細やかな気遣いに、宿泊客からは「自分の家のようにくつろげる」などの声が上がるという。
大窪さんは新しい継ぎ手に「既存の顧客を大事にする魂を引き継いでほしい」と願う。
掲載サイト。小松市商工労働課(問)0761(24)8074
