
映画「Korakuen」の一場面
岡山市の後楽園など岡山県内で全編撮影された映画「Korakuen」が完成した。米国で活躍する俳優・安藤美亜さん=倉敷市出身、ロサンゼルス在住=の監督デビュー作で、妻を失った男性の喪失と再生を描く。クラウドファンディング(CF)などを通じて寄せられた地元の支援に応え、岡山市で9日、倉敷市で15日に無料試写会を開催する。
自閉症スペクトラム障害(ASD)を抱える日系米国人ダニーは、病気で亡くなった妻京香の記憶を引きずり、妻の故郷岡山を訪れる。プロポーズをした後楽園や旧中山家住宅(倉敷市)といった思い出の地をたどり、安藤さんが演じるバックパッカーらとの出会いを通し、悲しみから立ち上がる。
安藤さんは役者を目指して2006年に渡米し、名演出家の故ロバート・アラン・アッカーマン氏に師事。米国のテレビや映画に出演し、プロデューサーや作詞家としても活動している。
「多様性を認め合う寛容な社会を後押ししたい」と、22年から映画を構想。「日本で最も美しい場所」とする後楽園を舞台に物語を練り上げた。撮影は山陽新聞社などが運営するCFサービス「晴れ!フレ!岡山」で集まった518万円を活用し、県フィルムコミッション協議会の協力で昨秋実施した。
上映時間は35分。8月下旬には大阪・関西万博の岡山県ブースでも披露した。「岡山の方々の支援がなければできなかった作品」と安藤さん。誰もが支え合う共生社会実現への思いを訴え「病気や発達障害への偏見をなくすきっかけになればうれしい」と話している。
9日は県天神山文化プラザ(岡山市)で午後2時半、4時半、6時、7時15分、8時半に上映。15日は倉敷市立美術館(同市)で午前11時、午後1時半、3時半。各回とも上映前に安藤さんが舞台あいさつに立つ。問い合わせは安藤さん(korakuenscreenings@gmail.com)。
(宮本慶一)
