「ペアローンまたは収入合算」利用者が過去最高

2025年6月27日、住宅金融支援機構は『住宅ローン利用者調査』結果の最新版を発表。

そのデータによると、「ペアローン」または「収入合算」を利用している人の割合が39.3%と過去最高に達したという。

ペアローンとは、夫婦ないし複数人で住宅ローンを契約することを指す。メリットとして、高額な住宅が比較的購入しやすくなったり、負担が軽いことが挙げられる。デメリットとしてまず考えられるのは、名義が2人なので売却が困難になることだろう。

人間関係は、順風満帆のままいかないことが多い。同調査では、住宅ローン利用者調査返済期間が「35 年超~50 年以内」という長期を選ぶ人も増えていることもわかる。

都心のマンションの高騰は、連日ニュースになっている。返済の重さが、夫婦関係の不和につながり、家計のリスクの要因になることも考えながら、冷静に判断することも必要なのかもしれない。

キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「持ち家か賃貸かというのは、夫婦関係を左右する問題です。お互いの不満が溜まった結果、その捌け口として浮気に走る人もいます。また、以前の配偶者との間の住宅ローンが、再婚した後の夫婦不仲の原因になることも」と言う。

山村さんに依頼がくる相談の多くは「時代」を反映している。同じような悩みを抱える方々への問題解決のヒントも多くあるはずだ。個人が特定されないように配慮をしながら、家族の問題を浮き上がらせる連載が「探偵が見た家族の肖像」だ。

今回山村さんのところに相談に来たのは48歳の会社員・真紀子さん(仮名)。「2歳年上の夫の出張が増えていて、週末はほとんど家にいないような状況が続いています」と山村さんに連絡をしてきた。そしてそこには「ペアローン」という言葉が大きくかかわっているのだというのだ。

山村佳子(やまむら・よしこ)私立探偵、夫婦カウンセラー。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリング経験を持つ探偵として注目を集める。テレビやWB連載など様々なメディアで活躍している。

切羽詰まった電話が

今回の依頼者・真紀子さんから、電話があったのは土曜日の午前中でした。「もう色々限界なんです。今日も夫は家に帰ってきません。お金や家のことなどいろんな問題が重なって、私に有利な条件で離婚したいんです」とおっしゃっています。切羽詰まったその様子に、その日の夕方に会うことにしました。

真紀子さんは、白シャツにデニムというシンプルなコーディネートでカウンセリングルームにいらっしゃいました。都内の食品関連会社でマーケティングの仕事をしています。セミロングの黒髪をアップスタイルにしており、快活で可愛い印象の女性です。

Photo by iStock

テニスとランニングが趣味とのことで、引き締まった体型と、日焼けした肌が印象的で、実年齢よりも若々しい。まずは、夫について伺いました。

「5年前にマッチングアプリで出会って結婚しました。当時、コロナ禍でしたので、一生独身でいることの不安があり、入院する時に味方となってくれる人が欲しかったのです」

真紀子さんは北陸地方の実家から、大学進学と同時に上京しています。両親との縁は薄く、親戚も東京にいないそうです。

「地元の男尊女卑な文化が大嫌いで上京したこともあり、彼を切らしたことはなかったのですが、同棲とか結婚とは距離をおいていました。東京は女性一人で生きやすい。一生独身で生きたくて、28歳の時に中古マンションを購入したのです」

それには、母親が「家に縛られている」という思いもあったそうです。

「旅行に行こうと誘っても“お父さんのご飯があるから”とか“おばあちゃんの世話があるから”と言い訳をつけて断ってくる。兄夫婦に子供ができてからは、“孫の世話があるから”と、“嫁と母”の役割を優先する。だからすっかり疎遠になりました」

家族の世話、孫の世話を元気にできるのは素晴らしいことだが、それですべてやりたいことを諦めているように真紀子さんは感じていた(写真はイメージです)Photo by iStock

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