北朝鮮から発射された弾道ミサイルの可能性があるものについて、市役所で情報収集にあたる防災危機管理課の職員ら(27日午後11時21分、沖縄県石垣市で)=長野浩一撮影北朝鮮から発射された弾道ミサイルの可能性があるものについて、市役所で情報収集にあたる防災危機管理課の職員ら(27日午後11時21分、沖縄県石垣市で)=長野浩一撮影 「いつか島に落ちるのでは」――。北朝鮮が昨年に続いて弾道ミサイルの可能性があるものを発射し、失敗した27日、全国瞬時警報システム「Jアラート」の発令対象となった沖縄県では深夜に避難を呼びかける警報音が鳴り響き、繰り返される緊張に県民らから怒りの声が上がった。

 沖縄県庁の防災危機管理課では、午後10時45分頃、アラートが鳴り、警告灯が点灯して発射を知らせた。いち早く駆けつけた職員がパソコンを操作するなど慌ただしく対応に追われた。出勤する職員が増えると、ひっきりなしに鳴る電話に応対し、市町村や消防庁などの担当者と連絡を取って状況を確認した。 那覇市中心部の国際通りでは、通り沿いに設置されているスピーカーから警報音が響いた。観光で訪れた大阪市北区の女性会社員(23)は「驚いて近くの居酒屋に駆け込んだ。日本に被害がなかったことに安心したが、次もあるのでは……」と不安そうに語った。 国際通りの居酒屋から慌てて出てきた福岡市の会社員(41)は「驚いた。怖いのでやめてほしい。このアラートだけでは、どこに逃げていいのか分からない」と困惑した様子で語った。 沖縄県石垣市役所でも、防災危機管理課に職員と自衛隊員が数人ずつ集まり、ホワイトボードに時系列順に経過を記録し、テレビの映像で状況を確認した。 市内の派遣社員(40)は帰宅途中で警報音が鳴り出し、怖くなって近くのスーパーに入ったという。「寝ている人もいる時間なのに、何を考えているのか」と憤り、「政府も北朝鮮に打ち上げさせないよう対応してほしい」と訴えた。 同じスーパーを訪れていた同市の会社員(28)は「何回もあって『またか』という感じで危機感はないが、いつか石垣島に飛んでくるのではないかという恐怖も感じる」と語った。 石垣市防災危機管理課の富浜公雄課長は「緊張した一日だった。2発目の危険もあるため、しばらく警戒態勢は継続する。自衛隊や消防からも被害の情報は入っていない」と話した。 先島諸島の石垣島、宮古島、与那国島の陸上自衛隊駐屯地などでは23日以降、航空自衛隊の地対空誘導弾「PAC3」が警戒態勢を継続している。 発射を受けて、防衛省では関係者が情報収集にあたった。同省幹部は「発射は失敗したようだ」との見方を示しつつ、「引き続き警戒監視に万全を期す」と語った。 北朝鮮による拉致被害者の家族会代表で、横田めぐみさん(拉致当時13歳)の弟・拓也さん(55)は27日、「今回のような行為は地域の安全の脅威を高めるだけだ。ミサイル発射に資金を浪費するよりも、国民の生活改善を図り、拉致問題を解決することで明るい未来を描くべきだ」とのコメントを出した。

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