お城に泊まり、殿様気分を味わえる「城泊」の動きが広がっている。先行する平戸城(平戸市)と大洲城(愛媛県大洲市)に続き、丸亀城(香川県丸亀市)と福山城(広島県福山市)が今年7月から開始。他に松江城(松江市)を始め8自治体で実証実験などが進められている。コロナ禍からインバウンド(訪日外国人客)が回復する中、観光庁が専門家を地方に派遣するなどして普及を支援している。(浦西啓介、丹下巨樹、野平貴)

 海に面した小高い丘に立つ平戸城。見張り台の「
懐柔櫓(かいじゅうやぐら)
」(2階建て)の扉を開けると、落ち着いた雰囲気の部屋が出迎える。1階はリビング、2階は寝室で、桜や
蝶(ちょう)
などを描いた壁画がしつらえてある。3面ガラス張りの浴室からは、海を見渡せる。1泊2食付き66万円(2人分)で、1日1組限定で利用できる。
「城泊」ができる平戸城・懐柔櫓の室内「城泊」ができる平戸城・懐柔櫓の室内 平戸城は江戸時代、松浦氏の居城だったが、明治になって廃城に。現在の城は1962年に復元された。 城泊のきっかけは2017年に平戸市が企画した、国内初の城泊イベント。希望者を募ると、約7500組の応募があった。海外客の人気が高かったことから、運営会社は懐柔櫓を改装し、21年4月に「平戸城CASTLE STAY(キャッスルステイ)懐柔櫓」としてオープンさせた。 コロナ禍の収束に伴い、アジアやヨーロッパなど海外客の利用も増えている。神楽鑑賞や茶道を体験した米国人観光客は「日本文化を肌で感じられた。帰国して自慢できる」と喜んでいたという。 運営会社の山崎由子さん(42)は「城主の気分を味わいながらくつろいでほしい」と話す。 1 2

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