「熊野古道伊勢路踏破ウォーク」(三重県主催)の第6回は26日、大紀町大内山支所から紀北町役場までの約14キロで行われた。参加した116人はツヅラト峠(大紀町―紀北町)を越えるコースに挑戦し、展望台からは熊野灘や紀伊山地の風景を眺めた。(根岸詠子)
「ツヅラト」の名前は、山の急斜面に作られた道が何度も折れ曲がり、九十九折(つづらお)りになっていることに由来する。江戸初期の1600年代頃、ツヅラト峠(357メートル)の迂回(うかい)路として標高の低い荷坂峠(241メートル)が整備されたとされる。多くの巡礼者は勾配の緩やかな荷坂峠を通るようになった後も、ツヅラト峠は地域住民の生活道として活用されてきた。峠までは急勾配の細い山道が600メートルほど続く。ガイドの金子修さん(大紀町)は、息を切らして噴き出す汗をぬぐう参加者に「あと少し。峠は景観がいいですよ」と励ました。熊野灘を一望した参加者からは「すごい」「きれい」と声が上がった。遠くには、これから越えていく紀伊山地の山並みも見え、金子さんが「当時の巡礼者もこの景色に感動し、手を合わせた人がいると思います」と話すと、参加者も感慨深げに見渡していた。
峠を過ぎて下り始めると、自然石を積み上げた「野面(のづら)乱層積み」の石垣の上を道が通る。大雨が降ると、谷あいには水が滝のように流れるが、石垣の上に道を作ることで、数百年間、道は崩れることなく保たれてきたという。峠越えの大半は土の道だったが、終盤には林の中を縫うように、ジグザグに敷かれた石畳の道が現れた。参加者は一歩ずつ踏みしめながら下り、約6時間かけてこの日のゴール地点に到着した。次回は6月15日(予定)で、紀北町の一石峠や三浦峠などを歩く。これからは険しい峠越えを繰り返し、ゴールの熊野速玉大社(和歌山県新宮市)を目指すという。 「熊野古道伊勢路踏破ウォーク」をインターネットで疑似体験できる特設サイト「歩こう!熊野古道 DIGITAL MAP(略称・あるくま)」を開設しました。ウォークの日程に合わせて随時更新します。
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