【テヘラン=吉形祐司、ワシントン=淵上隆悠】イラン国営テレビは20日、エブラヒム・ライシ大統領やホセイン・アブドラヒアン外相を乗せて北西部の東アゼルバイジャン州の山中に不時着したとみられていたヘリコプターの機体が発見され、「生存者がいる様子はない」とする救助隊の見解を報じた。ヘリは墜落した模様で、ライシ師らが死亡した可能性が高まった。
エブラヒム・ライシ大統領=ロイター 国営テレビによると、救助隊は熱源を探知できる無人機を使って同州の州都タブリーズの北約90キロ地点を捜索した。発見されたヘリの残骸からは熱が探知されなかったことから生存者がいる可能性は低いと判断した。救助隊の情報について、政府は公式な声明などを出してはいない。
無人機から送られた映像では、ヘリは山肌で見つかり、尾翼部分を除いて原形がわからない状態だった。捜索は19日から20日にかけて夜通し行われたが、悪天候と濃霧で捜索救助活動は難航していた。 モハンマド・モフベル第1副大統領は19日、緊急閣議を招集し、モフセン・マンスーリ行政担当副大統領とバフラム・エイノラヒ保健相に担当を命じ、タブリーズに派遣した。
19日、イランとアゼルバイジャンの国境付近で、ライシ師を乗せて飛び立つヘリコプター=ロイター ライシ師は19日、隣国アゼルバイジャンとの国境付近に建設されたダムの供用開始式典に出席していた。 マンスーリ氏によると、ライシ師は午後1時頃、随行員らとヘリ3機に分乗し、次の行事の予定地タブリーズに向かった。離陸の約30分後、ライシ師が乗ったヘリと交信が途絶えた。 今回の事故について、イラン国営メディアは、悪天候が原因との見方を伝えた。現場付近では地上での捜索も難航した。 最高指導者のアリ・ハメネイ師は首都テヘランでの会合で「国家運営に混乱はない」と述べ、平静を保ち、ライシ師らの無事を祈るよう国民に促した。各地で祈りの集会が開かれた。 イラン憲法によると、大統領が死亡したり不在となったりした場合、第1副大統領が最高指導者の同意を得て職務を代行する。大統領代行と国会議長、司法府長官の3者で構成する評議会が選挙を準備し、50日以内に新大統領を選ぶ。 ロイター通信によると、バイデン米大統領は19日、今回の不時着について報告を受けた。米国務省の報道担当者は19日、「報道を注視している」と本紙に語った。
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