ビワの実に取りついたクサギカメムシ(県農林総合技術センター提供) 強烈な悪臭を放つ厄介者のカメムシが昨年に引き続き、今年も山口県内で大量発生する兆候が見られる。越冬数が過去10年で最も多く、4月の捕獲数も平年の値を上回った。農作物への被害が懸念されることから、県農林総合技術センター(防府市)は注意報を出して農家に警戒を呼びかけている。(小林隼)
センターによると、昨年10月~今年2月に越冬する個体数を県内10地点で調査したところ、果樹の害虫「クサギカメムシ」が平均で96・4匹確認された。平年(23・3匹)の4倍以上に相当し、過去10年で最多だった2018年(49・4匹)の記録を大きく上回った。 加えて4月15日までの半月間、電灯で虫を引き寄せる捕獲器を県内3地点に設置した結果、クサギカメムシのほか、羽が茶色の「チャバネアオカメムシ」と体に光沢のある「ツヤアオカメムシ」を含む計3種類が平年の2倍ほど確認された。
昨年は夏の猛暑などの影響で全国的にカメムシが大量発生した。本来なら越冬時期に入ると寒さで生息数が減るはずだが、温暖化に伴う冬場の気温上昇で生き残る個体が多くなったとみられる。越冬後に産んだ卵が成虫となり、さらに増殖する恐れもあるという。 昨夏の大量発生は、カメムシの好むスギやヒノキの実が多かったことも要因とされる。餌不足に陥ると果実を求めて活発化する可能性もあることから、センターの担当者は「農業被害が早期に拡大しかねない」と警戒する。 同様の現象は他県でも起きている。農林水産省によると、3月下旬~4月末に山口県を含む全国7県でカメムシに対する注意報が発表された。県内では、既に作物への被害が複数確認されており、センターは「農園を定期的に見回り、カメムシの飛来を確認したら速やかに薬剤を散布してほしい」と呼びかけている。◆カメムシ
=カメムシ科の昆虫の総称。ストロー状の口を持ち、稲や果実、大豆などの養分を吸う。臭いの主成分は「アルデヒド」と呼ばれる化学物質で、身の危険を感じると分泌される。農作物に被害を及ぼす個体は、国から植物防疫法に基づく「有害動植物」に指定されている。
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