【ワシントン=池田慶太】パレスチナ自治区ガザで続く戦闘を巡り、米政府のイスラエル寄りの外交姿勢への不満から辞職する連邦政府職員が相次いでいる。国務省を離れた2人が本紙の取材に応じ、自責の念から辞職した経緯や、4月に多くの政府職員が辞職したことを明らかにした。

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ハラ・ラーリット氏(国務省ホームページより)ハラ・ラーリット氏(国務省ホームページより) 国務省でアラビア語担当報道官だったハラ・ラーリットさん(41)は4月末、18年間の外交官キャリアを捨てて辞表を出した。職業外交官では初の「抗議辞職」で、省内には衝撃が広がった。辞職後初めて外国メディアの取材に応じたラーリットさんは「内側から何を言っても政策は変わらず、疲れ果てた」と打ち明けた。

 2022年からアラブ首長国連邦(UAE)を拠点にアラビア語メディアへの対応を任され、政府の「顔」として100件以上のインタビューをこなした。だが、イスラエルがイスラム主義組織ハマスへの報復攻撃を始めた昨年10月以降は取材を拒むようになった。米ホワイトハウス米ホワイトハウス イスラエルに軍事支援を続ける米国は、中東各地で「子供殺し」「悪魔」とレッテルを貼られた。「人道支援を含め米国の全てが批判された。取材に応じても米国をより憎むように人々を仕向けるだけと感じた」と話す。 国益のためと思って取材を拒否した決断に対し、ワシントンや上司の反応は冷たかった。仕事を拒否したと非難された。中東での反米主義の高まりに対して警鐘を鳴らす報告書を連日ワシントンに送り、軍事的手段に頼らない外交を提案し続けた。しかし、相手にされず、周囲から「沈黙させられた」という。 国務省で武器輸出を担当する部局に勤め、ハマスの越境攻撃から約10日後に辞職したジョッシュ・ポールさん(46)は「ホワイトハウスや国務省の上層部から、イスラエルの要請に応じて早期に武器移転を承認するよう圧力があった。政策を議論する余地は全くなかった」と憤る。「私が知る限り、連邦政府では4月に20人以上が同じように辞職している」と明かした。

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