第2次世界大戦下の米国で原爆の開発を主導した物理学者を描いた映画「オッペンハイマー」(クリストファー・ノーラン監督)が日本で公開されている。第96回米アカデミー賞で7部門を制し、米国でヒットした注目の作品。「原爆の父」と言われる人物を主人公にした映画を被爆地はどう受け止めたのか。映画「オッペンハイマー」の一場面(c)Universal Pictures. All Rights Reserved.映画「オッペンハイマー」の一場面(c)Universal Pictures. All Rights Reserved. 映画のパンフレットには、「ノーラン監督が映画を作ろうと思った原点は、核爆弾を作るため計画に関わる科学者たちを襲った恐怖にある」と記されている。昨年7月の全米公開以降、世界興行収入10億ドルに迫り、実在の人物を描いた伝記映画としては歴代1位を記録。日本では3月29日から公開され、興行収入は10億円を超えた。

 「すさまじい音とともに爆発する映像を見て、自分の体験と重なり、思わず映画館の椅子を握りしめた」。公開初日に映画館で見た森重昭さん(87)(広島市西区)は、感想を語った。 1945年7月に米ニューメキシコ州で行われた人類初の核実験のシーン。8歳の時に広島市内の爆心地から2・5キロで被爆し、爆風で吹き飛ばされた記憶がよみがえった。森さんは「米国や日本を含め世界の若者が、戦争が起こるとどうなるのか、考えるきっかけになってほしい」と期待した。 1 2

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