カンボジアから移住したソク・セインさん(36) 縁もゆかりもない宮崎県川南町に来て3年目。念願のパン屋「toron.baton(トロンバトン)」を4月にオープンさせた。町内で既に「パン屋のソクちゃん」で通っている人気者は「お客さんがたくさん来てくれてありがたい」と笑顔。ともに店を切り盛りする妻の中谷琴代さん(36)と、忙しくも充実した日々を送っている。
川南町でパン屋を開業したソク・セインさん カンボジア出身で、実家は世界遺産アンコールワットにほど近い観光地。勤務先のゲストハウスに、ボランティア活動をしていた琴代さんが滞在したことが出会いのきっかけだった。結婚し、現在小学6年の長男が生まれたのを機に、琴代さんの出身地、神戸市へ移り住んだ。
母国はインディカ米中心の食文化でパンになじみはなかったが、来日して訪れたパン屋で、香ばしい様々な形のパンが並ぶ光景に魅了された。「パンの勉強をして自分で作ってみたい」。家族を説得し、将来的な開業を目指して同市と芦屋市のパン屋で8年間働いて腕を磨いた。 移住のきっかけは川南町が地域おこし協力隊を募集するために投稿した動画。「パン屋開業を目指しませんか?」とうたっていた。 子ども3人を連れ、見知らぬ土地でやっていけるのか――。親族からも心配され、応募はしてみたものの一度は辞退した。2年後、今度は町から打診を受けたことで決断。2022年4月、夫婦で隊員として着任した。 町内のライ麦やもち麦などを使ったパンを試作しながら、トロントロン軽トラ市など町内のイベントに出店。小学生向けにドーナツ作り教室なども行って、町に溶け込みながら開店に向けた準備を進めた。「近所の方が野菜を分けてくれるような温かさが好き。カンボジアの田舎のような懐かしさもある」。自身も町を気に入り、今年3月末、隊員を卒業して店を構えた。 実は、自身は今でも3食とも米食。関西なまりで「日本米はむっちゃうまいし、宮崎の鶏や魚にはお米(があう)」と照れ笑いする。もちろん新メニュー開発のため、日々の味見は欠かさない。「お客さんにもっと喜んでもらうことが夢です」(波多江航)もちもち食感 トロンバトンの売れ筋は、もちもちの食感が人気の食パンや、メープルやチョコ、さつまいもなど6種類のラウンドパン。子どもに人気の菓子パンも多数取りそろえている。 午前8時~午後6時。ただし完売次第閉店するため昼過ぎまでに来店するのがお勧めだ。定休日は原則、毎週日、月曜日と第3火曜日で、同店の公式インスタグラムで確認できる。問い合わせは同店(080・3966・3452)へ。
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