城山公園の展望台から望む桜島城山公園の展望台から望む桜島 「桜島の雄大さを一番感じられるのは、ここですよ」。鹿児島市の城山公園内にある展望台のそばで土産物店を営む川崎真理子さん(64)は胸を張る。

 城山は西南戦争の最後の激戦地となった。西郷隆盛が率いた薩軍は、熊本や宮崎で政府軍と戦いを繰り広げた後、鹿児島に戻り、この山に立てこもった。 西郷の最期の地としても知られる城山に、公園が開設されたのは1906年。その翌年、皇太子(後の大正天皇)の来県に合わせて、展望台は設置された。 4月下旬、展望台を訪れると、アジアや欧米からの観光客の姿があった。木々の間から、噴煙をたなびかせる桜島や青く広がる錦江湾が姿を現すと、観光客らは感嘆の声を漏らし、その雄大な姿に見入ったり、記念撮影をしたりしていた。 新型コロナが5類に移行し、観光はコロナ前に近い水準まで回復しつつある。「桜島が見える場所はたくさんあるが、裾野まできれいに見える場所は少ない。多くの国の人に足を運んでもらい、世界的に有名なスポットになってほしい」。川崎さんは、そう願う。(横峯昂)自然に囲まれた遊歩道青々とした緑に囲まれた遊歩道青々とした緑に囲まれた遊歩道 城山公園の一部は1931年に国の天然記念物・史跡に指定された。約550種類の植物が生い茂っており、専門家は「50万都市の市街地のそばに、これだけ恵まれた自然が残るのは奇跡に近い」と話す。 天然記念物・史跡に指定されているのは、同公園の約15万6000平方メートルのうち約11万平方メートル。城山の麓にある照国神社の北側からは、展望台まで約2キロの遊歩道が整備されている。樹齢400年とされる巨大なクスノキのほか、シロヤマシダやシロヤマゼンマイといった世界で初めて見つかった植物を観察しながら散策できる。 同公園の自然に詳しい文化庁調査員、寺田仁志さん(71)は「城山が豊かな自然の宝庫であることはあまり知られていない。散策に訪れて鹿児島が育んできた自然を感じてほしい」と力を込めた。
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アクセス
】鹿児島市城山町22の13。九州自動車道鹿児島北インターチェンジから車で15分。JR鹿児島中央駅からは車で10分。観覧無料。

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