『感染症の歴史学』飯島渉著
社会に大きな変容を迫ったコロナ禍。だが、あの頃の記憶は社会から急速に薄れてはいないか。当時は「感染症は世界を変えた」といった言説が叫ばれていたにもかかわらず。
そこで著者は、「パンデミックを歴史化する段階に来た」とし、膨大な財政支出、救済からこぼれる人々の存在、国家の限界など、あらわになった課題を検証する。天然痘、ペスト、マラリアの歴史も振り返り、対策には今も昔も、国際協調や記録の保存、環境との調和などが必要だと説く。
感染症が世界を変えたのではなく、衝撃の中で人間が社会を変え、知恵を絞り、乗り切ってきた。前向きなメッセージが心強い。(岩波新書、946円)(佑)
『ネコの気持ちがわかる50のポイント』加藤由子著
尻尾をゆらゆら、突然かみつく、狭い場所に入りたがる……。上野動物園などで解説員を務めていた動物行動学の専門家が、猫特有の行動について分かりやすく教えてくれる。 自宅で長く室内飼育をしている記者は、猫が急に全速力で走ってトイレに駆け込み、用を済ませると、また駆け出して行くのが不思議だった。それは野生のなごりで、巣穴から用を足す場所までの道中が危険なため、その前後はパワーを全開にするのだという。 しつけの仕方やそそうをした時の対処法、ペット感染症の対策なども知っておきたい。これから飼う人にも、長く飼っている人にも参考になる。(SBクリエイティブ、1540円)(西)
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