試演会で朗読劇を上演する室積さん(右)と村田さん 山口県光市を拠点に活動する作家で俳優の室積光さん(69)と、親交のある俳優の村田雄浩さん(64)が8月の終戦記念日に合わせ、戦没者と子どもたちを題材にした朗読劇の準備を進めている。室積さんが自身の児童小説「ハダシのカッちゃん」を朗読劇用にアレンジし、28日に同県周南市で本公演に向けた試演会を開催。県内外から集まった70人が戦争の悲惨さや平和の尊さを実感した。(河村輝樹)
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「ハダシのカッちゃん」は、東京の小学校に通う主人公の男児が、夏休みに友人と訪れた宮崎県の小学校の校庭で真っ黒に日焼けした少年「カッちゃん」と出会って友情を深める物語。だが、戦争ごっこが大好きなその少年は、太平洋戦争で亡くなった卒業生の幽霊だった――。 カッちゃんは太平洋戦争末期にブーゲンビル島(現・パプアニューギニア)で戦病死した室積さんの叔父・福田勝夫さん(当時24歳)がモデルになっている。室積さんが、テレビドラマの共演をきっかけに40年以上の付き合いがある村田さんとともに、79年前の戦争が遠い過去になる中、記憶の継承に力を注ごうと朗読劇を企画した。
試演会は同市小松原の私設図書館「
三丘(みつお)
文庫」で開かれ、室積さんが物語のナレーションを担当し、村田さんが主な登場人物を1人で演じる形式で上演。主人公の男児と同級生らとの愉快なやり取りが笑いを誘っていたが、カッちゃんが悲惨な死を遂げた兵士の幽霊だったとわかる場面になると、涙する観客の姿も見られた。
続いて行われたトークショーでは、室積さんが勝夫さんの遺影を披露。激戦地となったブーゲンビル島では、絶望的な戦いの末に多くの兵士が餓死した事実に触れ、「古里に帰りたかったであろう若者の魂が少年の姿となって母校の校庭で戦争ごっこに熱中している場面を通じ、戦争のむなしさを描いた」と語った。 村田さんは、小学生の頃、母親から戦時中の集団疎開のつらい体験をつづった大学ノートを手渡された思い出を振り返り、「戦禍を生きた人々の思いを私たちが伝えていかなければならない。朗読劇はそれができる」と手応えを感じていた。
約1時間半の朗読劇を観劇した周南市内の主婦(66)は「2人の熱演にすっかり引き込まれた。戦争に
翻弄(ほんろう)
された勝夫さんやその家族のエピソードも聞いてみたいと思った」と話していた。
朗読劇は8月15、16日、下松市文化会館「スターピアくだまつ」で予定している。今後、試演会での感想を踏まえ、朗読劇の詳細を詰めていくという。
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