井筒屋店での営業再開に向け、準備を進める竹中さん(16日、北九州市小倉北区の小倉井筒屋で)=田中勝美撮影
北九州市小倉北区の飲食店街「鳥町食道街」などの大規模火災で被災した小倉名物・
焼(やき)
うどんの発祥店「だるま堂」が26日、同区の小倉井筒屋で再開業する。「いつか元の場所に戻る」という決意を込め、店名に「井筒屋店」を付けた。3代目店主の竹中康二さん(55)は「だるま堂の味を再び多くの人に届けたい」と張り切っている。(杉尾毅、山崎祥太)
16日、井筒屋本館の6階。壁の塗り替えなどが進む元レストランの店内で、竹中さんは「創業以来の材料や調理法でようやく提供できる」と声を弾ませた。
先代から受け継ぎ、店内に残っていたヘラ(竹中さん提供) 1月3日に起きた火災の約1か月後から、週末を中心に地元などのイベントで出店してきた。だが、本来の乾麺は入念な仕込みが必要でなかなか使えず、生麺で代用せざるを得なかった。「多くの方から『再開を楽しみにしているよ』と声をかけてもらい、見舞金もいただいた。皆さんの励ましがあってこそです」と語る。
店内に掲げていた看板(竹中さん提供) 火災では、戦後の闇市を起源とする食道街を中心に36店舗が焼損した。1945年に食道街で創業しただるま堂は焼失を免れたものの、消火作業で水浸しになるなどした。竹中さんは「先代、先々代に申し訳ない」と落ち込んだが、店内に残っていた先代のヘラや看板を支えに「必ず食道街で復活させる」と誓った。 一方で、被災後間もなく、小倉井筒屋の関係者から出店の話が舞い込んだ。食道街の跡地に大量のがれきが積み上がったままだった時期。だるま堂も復旧の見通しが立たない状態だった。「発祥店の焼うどんを楽しみに北九州を訪れる人たちに、一日でも早く提供したい」。竹中さんは井筒屋への出店に応じることにし、開店費用は見舞金と自己資金で賄ったという。 井筒屋店には先代のヘラや看板を飾る。座席数は元の店の約3倍となる約40席。多くの観光客の来店を見込んでアルバイトを雇い、焼きカレーや戸畑チャンポンといった他のご当地グルメも提供する。竹中さんも調理場やホールに立つ予定で、「地元の食文化の発信拠点になりたい」と語る。 小倉北区の中心市街地では、今月20日にも飲食店など8店舗が焼損する火災が起きた。竹中さんは「だるま堂の再開で、地域に少しでも勇気を与えることができたら」と願っている。移転の店舗も 他の被災店舗には移転の動きがある。市によると、22日時点で36店舗のうち8店舗が商店街の空き店舗への移転費を支援する市の補助制度を活用し、4店舗も申し込みを検討中という。
がれきの撤去作業が進む火災現場(24日、北九州市小倉北区で)=山崎祥太撮影
「鳥町食道街組合」の組合長、中石
浩由(ひろよし)
さん(32)も11日、居酒屋「うちょうてん」を約180メートル離れた場所で再開させた。「昭和レトロな雰囲気が愛された食道街を忘れないでほしい」と、新たな店の看板に「鳥町食道街創業」と記した。
火災跡地では今月からがれきの撤去が進んでおり、6月中に更地になる予定。組合も解散する方針だ。 ただ、土地の権利が細かく分かれているため、地権者の一人は「同じ雰囲気の街を再現するのは困難。跡地活用について地権者の考えをまとめるのも難しいかもしれない」と語る。
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