インタビューに応じる第一生命ホールディングスの菊田社長(東京都千代田区で) 第一生命ホールディングスは、企業の福利厚生を代行するサービスを手がけるベネフィット・ワンを近く完全子会社にする。生命保険業界にとっても、日本銀行の大規模金融緩和の終了は戦略の変更が求められる。菊田徹也社長に話を聞いた。
2025年度にも民営化「中小企業のニーズや課題が多様化、スピード感をもって対応」…商工組合中央金庫・関根正裕社長
「給トク払い」シナジー生みやすい ――ベネフィット・ワンの買収を決めた。 「ベネフィット・ワンが持つ福利厚生のプラットフォームにあらゆるサービスを載せられる。当社が提供する団体保険や個人保険、年金保険も含めて、今後どういった商品と連係するかを検討していきたい。 ベネフィット・ワンが持つ給与天引きの決済システム、給トク払いには、サービスを購入すると給与から天引きされる仕組みがある。給与天引きは、生保会社にとって非常にシナジーを生みやすい。 第一生命が持つ生命保険とベネフィット・ワンが持つ福利厚生のプラットフォームに、力を入れていきたい医療・健康領域を組み合わせる。給与所得者のマーケットの中で、提供できる体験価値の幅を広げていきたい」 ――2026年度までに、新規会員を200万人増やす方針だ。 「現在、日本の給与所得者は約6700万人いると言われている。そのうち、福利厚生プラットフォームに、勤務先の企業が加入している所得者は約2000万人いて、まだまだ伸びしろがあると思っている。
特に、最近は労働需給が
逼迫(ひっぱく)
しており、どの企業も人手不足を抱えている。今は賃上げだけでなく、同業他社との福利厚生の比較も、従業員がするようになっている。
従来はコスト重視で、福利厚生にあまり投資をしてこなかった業界が、これから人材を確保するために、福利厚生も充実させてくると思っている。これからの方がむしろ伸びしろがかなりある」保険商品開発の柔軟性増す ――24年度から始まる中期経営計画を公表した。 「26年度までにグループ修正利益を(23年度見込みの)2700億円から4000億円に引き上げる。海外事業の比率を4割まで拡大し、収益を1600億円まで引き上げていく。 国内も金利が徐々に上がってくるので、国内保険事業の利益も安定的に増加基調で推移していくと考えている。非保険領域では、ベネフィット・ワンの利益はまだ数十億円だと見込んでおり、中期経営計画の期間中に種まきをして、30年までの中で、柱の一つに育つようにしたい」 ――日銀がマイナス金利政策を解除した。経営戦略への影響は。 「(保険の契約期間に匹敵する)20年物や30年物の金利が上昇してくるかどうかが極めて重要だ。 物価の上昇や賃上げが定着し、経済が好転して(償還期間の)長い金利が上がってくれば、保険商品を開発する柔軟性が増すし、資産運用の利回りが上がってくるので、非常にポジティブに影響してくる。 商品の利率については、当社は株式会社なので、資本コストを上回ることが、事業単位、商品単位で求められる。(契約者に約束する)予定利率を上げていくのではなく、運用成績に応じて受取額が変動するような商品に力を入れるなど、差別化を図ることが重要だ」
◆菊田徹也氏(きくた・てつや)
1987年一橋大商卒、第一生命保険入社。2021年4月から第一生命ホールディングス代表取締役専務執行役員。23年4月から社長。ニューヨーク駐在中にビジネススクールに通い、MBA(経営学修士)を取得した。宮城県出身。
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