この夏、チェロを学ぶ次男とともに老人ホームを回る予定。「自分のチェロで人を喜ばせることができるかどうか。学べることがあると思う」=田中秀敏撮影この夏、チェロを学ぶ次男とともに老人ホームを回る予定。「自分のチェロで人を喜ばせることができるかどうか。学べることがあると思う」=田中秀敏撮影 「高嶋ちさ子&加羽沢美濃~ゆかいな音楽会~withアンサンブル」が来月4、5日、上野の東京文化会館大ホールで開かれる。読売新聞創刊150周年記念事業の一環。作曲家でピアニストの加羽沢と共演する、人気バイオリニストの高嶋ちさ子は「必ず『楽しかった』と思っていただけるようなコンサートにしたい」と意気込む。

 バイオリンを始めたのは6歳のとき。桐朋学園大を経て米エール大音楽学部大学院を修了し、1995年にCDデビューした。その後、フジテレビアナウンサーの軽部真一と共同プロデュースする「めざましクラシックス」、2006年に結成した「12人のヴァイオリニスト」など、クラシックを身近に感じてもらおうと様々な工夫を凝らしてきた。
 テレビ番組などでの歯に
衣(きぬ)
着せぬトークで人気を集めるが、活動当初は、ほとんど聴衆がいないときもあったという。「クラシックのコンサートで『バイオリニストの高嶋ちさ子です』と名乗ることすら勇気が要った時代。いつも『もう二度とやらない』って言ってた」と振り返る。
 それでも、歩みは止めなかった。クラシックや弦楽器の魅力をより多くの人に伝えたいという思いから、コンサートではパッヘルベルの「カノン」やリスト「ラ・カンパネラ」、モンティ「チャルダッシュ」など、著名曲を取り上げる。「毎回チャルダッシュばかり、と思われるかもしれないけど、みんなが知っている電話の保留音とかで攻めていかないと」とおどけつつ、「1音目から聴衆のハートをつかめないとダメ」とアレンジのこだわりを語る。 明るく積極的に見えるが、実は「自信がなくて、探り探りやってきた」と打ち明ける。しかし、一昨年、昨年と続けて国立代々木競技場第一体育館や大阪城ホールといった大会場公演を成功させ、「ちょっとだけ自信が持てた」。「1回はやれても2回、3回は無理だろうなと思ったら、できた。来てくださった方に喜んでいただけて、ようやくバイオリンって私にとっての一芸なんだな、と思えるようになった」 上野のコンサートは、全国ツアーの追加公演で、歌手の平原綾香をゲストに迎える特別版だ。「日本でも有数のクラシックの殿堂で、お客様を巻き込んだりもして、ふざけられることはなかなかない。でも、それぐらいやらないとお客様も緊張しちゃうから」と目線はあくまで聴衆の側だ。「だって、コンサートは人様のためにやっているものだから。目指すはお客を呼べるバイオリニストです」。潔い自負をのぞかせた。 チケットは両日とも完売。5月17日のJ:COMホール八王子(東京)での公演は残席がある。(電)0570・550・799。

Share.