アルゼンチン代表はワールドカップ連覇こそならなかったが、リオネル・メッシを中心にW杯2大会連続決勝進出を果たした。一方でハードすぎるプレーや乱闘騒ぎに賛否両論となっている。その背景について、南米に熟知したベテランのブラジル人記者に聞いた。〈全3回〉

 北中米W杯で準優勝を果たしたアルゼンチンは、激闘の連続とともにピッチ内外の振る舞いで物議を醸した。そのスタイルについて、南米における宿命のライバルであるブラジルの日刊紙『オ・エスタード・デ・サンパウロ』のアウミール・レイチ記者(65)に、本音で語ってもらった。

ブラジル人記者が語る「カチンバ」とは

――スペインとの決勝戦で試合中と試合後にアルゼンチン選手が見せたプレーと振る舞いをどう考えますか?

「彼らに対して批判的な意見が多いことは承知しているが、ポジティブな面もあることは指摘しておきたい。彼らは並外れた闘争心を持っており、これは身体接触が避けられないフットボールでは極めて重要な要素だ。とはいえ、フットボールはスポーツであって戦争ではない。アルゼンチン代表、さらにはアルゼンチンの国としてのイメージを損なったのは、同じ南米人として残念だ」

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――今回、批判を受けている件については、これまでセレソン(ブラジル代表)との試合で幾度となく見てきた光景です。

「その通り。我々ブラジル人は、何十年も前から彼らが散々に挑発し、しばしば暴力に訴える姿を眺めてきた。我々が『カチンバ』と呼ぶものだ」

(注:「カチンバ」とは、言葉での挑発、危険なタックル、露骨な時間稼ぎなどで対戦相手を苛立たせる行為を指す。アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイなどの選手が行なうことが多い)

――彼らは、自分たちより実力で劣る国に対してはまずやらない。

「そんなことをしなくても勝てるからね。でも、強豪国に対してはカチンバをやる。そうすれば実力差を埋めたり、同程度の実力であれば優位に立てると考えているから。彼らはそれをフットボールの一部とみなしており、実際に効果を発揮することもある。セレソンはそれで負けたことが何度もあるからね」

多少の批判では改める…?絶対にない

――アルゼンチン選手のカチンバにブラジル選手が苛立ち、双方入り乱れての乱闘が起きたことがあった。

【次ページ】 では今大会のパラグアイ、ネイマールは?

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