公開日:2026年5月31日

グラングリーン大阪 南館バレースペースに展示されているヤノベケンジの《SHIP’S CAT (Cosmo Red)》と《SHIP’S CAT (Little Cosmo Red)》
52ギャラリーが集う。うめきたで生まれ変わったギャラリーセクション
2002年の創設以来、関西を拠点に現代アートの発信を続けてきた「ART OSAKA」。今年で24回目を迎えた2026年は、初めて”うめきた”のスペースを加え、コングレスクエアグラングリーン大阪でのギャラリーセクション(5月29日〜31日)と、北加賀屋・クリエイティブセンター大阪でのExpandedセクション(5月28日〜6月1日)の2拠点構成で開幕した。
今年のギャラリーセクションは「Galleries」、「Focus」、「Wall」、「Screening」の4タイプで再構成され、国内外計52ギャラリーが参加した。関西21、東京23に加え、GALERIE STEPHANIE(フィリピン)、Gallery Shilla、Woong Gallery(韓国)も加わり、各都市の現代美術シーンを牽引する老舗から新進気鋭まで、幅広い顔ぶれが揃った。
ギャラリーセクション、うめきたの展示風景
「Focus」でとくに目を引いたのが、Gallery Nomartによる上田香奈の展示だ。今年度「咲くやこの花賞」を受賞した上田は、パラフィンワックスや麻布、シルクスクリーンプリントなど複数の素材を組み合わせた作品を発表した。
作品の出発点について、上田はこう語る。「シルクスクリーンは0か1かの世界。でも引いてみるとちゃんと像として見える。人間の目の構造をうまく利用しているなと感じて。私たちの身の回りのものも粒子でできていたり、細胞でできていたり、小さな最小単位があって全体が出来上がっている。そういうことってたくさんあるなと思って、そこからできたシリーズなんです」
一見、一人の人物に見えるポートレートは、実は20人以上の写真をドット状に重ね合わせた「架空の顔」。見る人それぞれの脳内で像が補完され、統合されていく。
上田佳奈の展示にて
会場では同時開催の企画展「もうひとつの90年代 時代を超える関西の作家たち」も展開されていた。美術館とは異なる視点から、1990年代に関西で生まれた重要作品を7名の作家で振り返る内容だ。キュレトリアルアドバイザーに加藤義夫(APCA理事/加藤義夫芸術計画室)を迎え、作家たちが今この2026年から当時を振り返って書き下ろしたテキストも配布された。
「もうひとつの90年代 時代を超える関西の作家たち」の展示風景
「もうひとつの90年代 時代を超える関西の作家たち」の展示風景
