2026年の台北国際コンピューター見本市「COMPUTEX 2026」がまもなく開幕する。主催団体の一つである中華民国対外貿易発展協会(TAITRA、台湾貿易センター)の黄志芳董事長は26日、開幕前の記者会見で、今年はNVIDIA(エヌビディア)やGoogle(グーグル)など世界的なテクノロジー大手による講演・セッションが30件以上予定されていると発表した。
AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)なども会期前から関連イベントを開き、開幕に向けた機運を高めている。今年のCOMPUTEXは人工知能(AI)の発展を大きなテーマに据え、台北世界貿易センター1館(台北世貿、信義区)に「AIロボット専用エリア」を新設する。AIとロボットを軸に、今後の産業発展の方向性を示す狙いだ。
黄氏は、今回登壇する講演者が所属する企業の時価総額を合計すると、10兆米ドルに達すると強調した。COMPUTEXを通じて世界的な存在感を高めてきたテクノロジー企業のリーダーたちが台北に集結することは、台湾が既に情報技術(IT)およびAI技術分野において、世界で最も重要なハブ拠点であることを示していると指摘した。
新型コロナウイルス感染拡大期にはCOMPUTEXの開催規模も影響を受けたが、コロナ禍以降は毎年大きく成長している。黄氏によると、今年は世界で最も影響力を持つテクノロジー大手が集まるだけでなく、4件の大型基調講演には、Qualcomm(クアルコム)、Intel(インテル)、Marvell Technology(マーベル・テクノロジー)、NXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)の最高経営責任者(CEO)が登壇し、各社の技術戦略や市場展望を語る。
このほか、NVIDIA(エヌビディア)やGoogle(グーグル)などのテクノロジー大手からも、シニアバイスプレジデント級の講演者が登壇し、30件以上の講演・セッションで最新技術やAI戦略を紹介する予定だ。AMDのリサ・スー(蘇姿丰)CEOが会期前に台湾を訪れ、関連イベントを行ったことも、COMPUTEXがもたらすテクノロジー・エコシステムの集積効果を十分に示している。
AI・ロボットが主役 台北世界貿易センターを再活用
今年のCOMPUTEXは「AIとロボット」を主軸に据える。大幅に拡大する出展の需要と産業の発展に対応するため、展示スペースを大幅に拡充する。
同時に、NVIDIA(エヌビディア)は台北国際会議センター(TICC、信義区)を展示会場として特別に借り上げ、技術カンファレンス「GPUテクノロジーカンファレンス(GTC)」をアジアに移して開催するなど、台湾に対する高い関心を示している。
ロボット産業にも「ChatGPTモーメント」到来
黄氏は、ロボット産業の「ChatGPTモーメント」がすでに到来していると指摘した。産業用途の需要拡大に加え、イーロン・マスク氏をはじめとするテクノロジー業界のリーダーによる後押しもあり、AIの頭脳とロボットが融合する新たな時代が、人々の生活に浸透し、変化をもたらすとの見方を示した。
そのため、今年は世界貿易センター1館に専用エリアを設けるだけでなく、スイスのABB、Qualcomm(クアルコム)、NVIDIA(エヌビディア)、NXPなど主要企業が参加する注目度の高いフォーラムも開催する。将来的には、全体の発展状況を見極めながら展示会場の配置を再検討していく方針だという。
AIバブル懸念に反論 「成長の勢いはむしろ驚異的」
AI産業がバブル崩壊の危機に直面しているのではないかという外部からの懸念に対し、黄氏は「成長の勢いはむしろ驚異的だ」と反論した。バブル懸念は資本市場側の見方にすぎない面があり、産業の実体面から見れば、テクノロジー大手による将来のAIプロジェクトへの投資は増える一方だと指摘する。
AMDが台湾での追加投資を発表したことも、AI産業全体の成長力が衰えていないことを示しているという。黄氏は、COMPUTEXはB2Bの専門見本市であり、同展が生み出す大きな商機は輸出データにも直接反映されると説明した。
AI関連産業のけん引を受け、台湾の今年3月の輸出額は801億米ドルに達し、前年同月比で65%増加した。黄氏は、台湾の今後半年間の輸出商機のうち、70%はCOMPUTEXによって創出されると予測している。
また、COMPUTEXが生み出す関連商機の規模は、昨年の7000億台湾ドル(約3兆6000億円)から、今年は9000億台湾ドル(約4兆6000億円)へ大幅に拡大する見通しだ。今回の展示会には1000人を超える海外メディアが取材登録しており、今年の注目度の高さを示している。
