テヘラン(CNN) イラン首都テヘランに夜が訪れ、アルボルズ山脈の頂きが闇に消えていくころ、何千人ものイラン人が決まったように街頭へと繰り出し、反米支持者の動員を目的とした国家主導の集会に参加している。

テヘランの高級住宅街、タジリシュ広場の近くでは「米国に死を」というお決まりのかけ声が響き、大量のイラン国旗がはためく。露天商たちは熱狂的な群衆に向けて茶や、愛国的な野球帽やワッペンといった記念品を売り歩いている。

「私は自分の国と国民のために命を捧げる覚悟が十分できている」。イラン国旗の色のメガネをかけたティアナという名の若い女性が耳をつんざくようなかけ声の中、そう語った。

「国民全員、軍全体、すべての指揮官たち、みんな命を捧げる覚悟ができていて、心と魂のすべてを懸けて戦う準備ができている」と、ティアナさんは付け加え、トランプ米大統領が最近SNSで投げかけた軍事行動再開の脅しを一蹴した。

「イランに関して、時は刻一刻と進んでいる。早く動いたほうがいい。さもなければ何も残らなくなる」と、トランプ氏は17日、トゥルース・ソーシャルに投稿。停滞した和平交渉が脆弱(ぜいじゃく)な停戦を損ないつつある中、緊張を一層高めた。

手製のプラカードを持つ一人の年配男性が、メッセージを翻訳すると申し出てきた。手書きのペルシア語は「核とミサイルの技術は国境と同じくらい重要だ。だからわれわれはそれを守る」と訴えていた。

「私たちには原子力が必要だ。クリーンエネルギーであって、爆弾ではない」と、男性は語った。これはイランが物議を醸す核開発計画の中止を拒否していることに言及している。トランプ氏は戦争を終わらせる条件として中止を求めている。

「トランプは私たちが爆弾を持っていないことを知っている。それでも攻撃してくるのだ」と、男性は付け加えた。

米イスラエルによる攻撃が差し迫っているとのうわさが渦巻き、懸念が強まる中、多くのイラン人の間で敵対行為の再開は不可避との感覚が高まっている。

「この戦争が終わっていないことは分かっている。トランプが本当は交渉するつもりがないことも分かっている」と、ロンドンとドバイで育ったというファティマさんは主張した。「トランプはただ『言うとおりにしなければ殺す』と言って、たとえ言う通りにしても私たちを攻撃するだろう」

この夜の集いは、戦争開始当初からほぼ3カ月にわたって、毎晩のように全国各地で行われている。

しかしここ数日、不気味な兆候がみられる。銃の公共キオスクが現れ、一般市民が基本的な武器の使い方について指導を受けているのだ。これは、強硬化するイラン当局がさらなる衝突に向け国民に備えさせていることを示している。

広場で兵士が市民に銃の使い方を教えている=17日/AFP/Getty Images
広場で兵士が市民に銃の使い方を教えている=17日/AFP/Getty Images

バナク広場のキオスクでは、女性が自動小銃AK47の扱い方を学んでいる様子が見られ、軍服を着た覆面姿の男性が銃の分解・組み立て方法を教えていた。

そのすぐ近くでは、小さな女の子が装塡(そうてん)されていない自動小銃を空に向け、引き金を引いてから、笑顔の指導員に銃を返していた。

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