(CNN) ハンタウイルスの集団感染が発生したクルーズ船が10日早朝にスペインのテネリフェ島に到着するのを前に、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は住民の不安解消に努めた。

テドロス氏は150人近い乗客の安全な避難を監督するため、テネリフェ島入りしている。クルーズ船「MVホンディウス」ではハンタウイルスに感染した3人が死亡しており、テドロス氏は島の多くの人が「不安」を抱いていることは理解していると呼び掛けた。

ただ、テドロス氏は島の住民に宛てた書簡で、ハンタウイルスの集団感染は「新型コロナウイルス感染症の再来ではない」と強調した。ハンタウイルスは通常、げっ歯類の排せつ物との接触を通じて感染する。

テドロス氏は「現状ではハンタウイルスによる公衆衛生上のリスクは依然低い」と述べ、WHOはこの評価を「軽々しく」下したわけではないと付け加えた。

テドロス氏によると、スペイン当局は10日早朝にクルーズ船が港に到着するのに備え、「一つ一つ段階を踏む慎重な計画」を策定した。乗客は船で陸へ移送され、「密閉された警備付きの車両」で移動。出身国へ直接送還されるまで、居住地域から隔離された場所に留め置かれるという。

「住民の皆さんが乗客と遭遇することはない。皆さんの家族が遭遇することもない」(テドロス氏)としている。

テドロス氏は、クルーズ船の受け入れに応じたスペインのサンチェス首相に感謝の意を表明。今回の判断を「連帯と道義的義務の行為」と形容した。テネリフェ島が受け入れ先に選ばれた理由については、乗客が「安全な場所へたどり着く」のを助けるインフラと医療体制が整っているためだと説明した。

150人近くを乗せた船はテネリフェ島のグラナディージャ港に停泊する/Borja Suarez/Reuters
150人近くを乗せた船はテネリフェ島のグラナディージャ港に停泊する/Borja Suarez/Reuters

クルーズ船の運航会社オーシャンワイド・エクスペディションズによると、「ホンディウス」は現地時間10日午前5時30分、テネリフェ島のグラナディージャ港に到着する。

オーシャンワイド社は9日、「全乗客と限られた数の乗員」が午前8時ごろから、管理されたグループに分かれて下船を始める見通しだと説明した。

スペインのマルラスカ内相によると、移送作戦にはスペイン治安部隊の358人が関与するという。

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