中国では2025年、人型ロボット(ヒューマノイド)が最もホットな先端産業となった。調査会社IT桔子によると、25年1〜9月のロボット分野の資金調達額は386億2400万元(約8500億円)となり、24年通年の212億5400万元(約4700億円)の約1.8倍に達した。

投資が集中する人型ロボット分野へは、参入企業が相次いでいる。宇樹科技(Unitree)や智元機器人(Agibot)、優必選(UBTECH)のような業界大手だけでなく、自動車メーカーやネット大手、家電大手などが資金やサプライチェーン、技術面の強みを背景に進軍。市場は一時、異常ともいえるほどの活況を呈した。

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しかし、熱狂の水面下では暗い流れがうごめいていた。受注の急増、価格の下落、そして活用シーン不足が交錯し、業界全体は現在「評価の高さが売上高に結びつかない」という現実的なジレンマを抱えている。

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受注に生産が追いつかない

現在の人型ロボット業界では、受注規模が企業の実力をはかる指標であり、投資家の評価を得るための重要な基準となっている。

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2025年は人型ロボット分野の商用化が急速に進展した。AgibotとUnitreeは共同で1億2400万元(約28億円)のプロジェクトを落札し、慧智物聯(Huizhi IoT)と智平方科技(AI2 Robotics)は共同で5億元(約110億円)近くの受注を獲得、UBTECHの年間受注額は13億元(約290億円)を突破した。中国メディアのTech星球によると、25年には1000万元(約2億円)以上の大型受注が20件余りあり、UBTECH、Agibot、AI2、 松延動力(Noetix Robotics)の4社だけで受注額が35億元(約770億円)を超えたという。

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販売台数も大きく伸びた。調査会社IDCによると、中国の人型ロボット販売台数は2024年に約800〜2000台だったが、25年は上半期(1〜6月)だけで4000台を超えた。しかし複数の業界関係者は、受注額と販売台数は急増したものの、それに見合うだけの納品体制を確保できていないと指摘する。

たとえばUBTECHの焦継超・副総裁は2025年8月、年内に産業用人型ロボット「Walker」シリーズを500台納入する計画だと説明したが、受注額13億元(約290億円)が示唆する数千台の需要と引き比べると、生産能力の不足は明らかだ。また、京東集団(JDドットコム)の通販サイトを見ると、Unitreeの新製品「R1 Air」の出荷開始は26年2月とされており、量産拡大の難しさを物語っている。

課題は価格と実用性

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1元=約22円で計算しています。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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