ルノーの巨大カエル

ルノーものぞいてみることにした。2026年2月にオープンしたコンセプトストア、Rnltである。所在地情報をもとにたどり着くと、屋外には数々の蓮(ハス)を模したパラソルが連なっていた。室内には「アブソリュート・グリーン」と名づけられた緑色の「トゥインゴE-Techエレクトリック」(当連載第958回参照)が展示されている。巨大なカエル像は1976年生まれのイタリア人アーティスト、マルカントニオの作品である。人間と自然のつながりが好きという彼は、トゥインゴの顔つきを見た瞬間、笑うカエルを想起したという。

壁際には販売用のオフィシャルグッズが並べられていた。思えば1993年に初代トゥインゴが発売されたときも、数々のグッズがリリースされたものである。当時東京にいた筆者は、フランスを旅行していた知人に、文字盤にトゥインゴが描かれた腕時計を買ってきてもらったことを思い出した。いっぽう、今回の新トゥインゴグッズで最もかわいいと感じたのは、ぬいぐるみである。

実は入り口にいわゆる“ガチャガチャ”のマシンが置いてあって、来場者は自分でダイヤルを回して、くじ引き券入りのカプセルを取り出すようになっていた。聞けば、ショールーム奥でプレゼントと交換してもらえるという。

筆者が渡したカプセルを開けたお姉さんが「おおーっ! おめでとうございます」と派手な声を上げるので、「もしや、ぬいぐるみか。このあと重要な仕事があるのに、抱えていくの恥ずかしいな」などと思いきや、実際もらえたのは冷蔵庫に貼るマグネット1個だった。どういう景品が特賞に設定されていたのかは聞き忘れたが、お姉さんの盛り上げ方のうまさに恐れ入った。

著名建築家とのコラボレーションや、真面目なプロジェクトがある傍らで、ルノーのような軽やかなアプローチもある。かつて以上に、そうしたコントラストの愉快さを感じた2026年のデザインウイークだった。

(文と写真=大矢アキオ ロレンツォ<Akio Lorenzo OYA>/編集=堀田剛資)

 

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