パリの自動車文化の多様性を謳歌するイベント
フランスのパリほど、多様性に飛んだ自動車文化を宿す大都市は珍しい。ルノーやシトロエンだけでなく、既に廃れてしまったが、ファセル・ヴェガにヴォワザン、タルボ・ラーゴなど、名だたるメーカーが首都の近郊で創業しているのだ。
この歴史を重要視するフランスの自動車クラブ、ヴァンセンヌ・アン・アンシエンヌが2000年から開催しているイベントが、「トラヴェルセ・ド・パリ」。パリ東部、20区の周辺を巡るクルージング・ミーティングで、近年は700台前後が参加している。
トラヴェルセ・ド・パリへ向かう英国編集部のBMW 325iとトヨタMR2、サーブ99 ジャック・ハリソン(Jack Harrison)
そこで2026年は、英国編集部も加わってみた。サイモン・ハックナルは、英国トヨタからお借りした真っ赤な初代MR2で。同僚のアーロン・マッケイは1985年式BMW 325i、デイモン・コグマンは1982年式サーブ99で駆けつけた。
ドーバー海峡を潜るユーロトンネルの列車では、イベント前日にも関わらず、南へ向かうクラシックカーを見かけなかった。英国からの参加者は、かなり珍しいらしい。
中世のヴァンセンヌ城がスタート地点
フランス北東部へ上陸後、パリまでは高速道路と一般道を交えつつ、約4時間のドライブ。その途中で起きた不具合は、サーブ99の軽微なもののみで済んだ。
バッテリーがしっかり固定されておらず、アースケーブルが冷却ファンに迫り、風を切るような異音が発生。手持ちのナイロンバンドをつなぎ合わせ、バッテリートレイへ固定したが、幸いファンの変形や断線には至らなかった。
ユーロトンネルを潜る列車、ル・シャトルへ乗り込む英国編集部の車列 ジャック・ハリソン(Jack Harrison)
翌日の早朝、スタート地点は中世に建てられたヴァンセンヌ城。フランス車らしいイエローのヘッドライトで、古い城壁が次々に照らされる。雰囲気はまるで、ラリー・モンテカルロ。蛍光色のジャケットを着たクルーが、慌ただしく動き回っている。
参加者に配られたのは、クルージング・ルートが書かれたロードブック。1月下旬で、周囲はまだ薄暗いが、既に沢山のクルマ好きで会場の雰囲気は暖気済みといえる。
博物館級のレア車、シトロエンM35も
MR2の隣に並んだのは、2.4L V8エンジンのシムカ・シャンボール。珍しいフランス車を期待している観衆が、続々と集まってくる。ルノー15 クーペも珍しいものの、ロータリーエンジンを積んだクーペ、シトロエンM35は博物館級のレア車だ。
バイクも155台が参加した。その大多数は2ストローク・エンジンで、甲高い排気音が真冬のパリを震わせる。警察の白バイ隊が、車列をサポートする。
日本でもめっきり見かけなくなった、スバル360もパリの街へ ジャック・ハリソン(Jack Harrison)
オースチン・ヒーレーやプジョー504 カブリオレ、フォード・モデルAと並んで、真っ赤なMR2が走る様子は、トラヴェルセ・ド・パリならではの光景だろう。ニュージーランド人が持ち込んだ、スバル360を追い越しつつ。
凱旋門の周囲を回りエッフェル塔の前へ
画像 フランスの濃厚クルマ文化を象徴するトラヴェルセ・ド・パリ 個性的な参加車を写真で 全56枚
