ガーナ共和国・アクラを拠点にガーナ料理ファストフードチェーン「KOFIRICE(コフィライス)」を展開する株式会社成勢アフリカンフーズが、シードラウンドにて総額3,200万円の資金調達を実施しました。

引受先はTRUST SMITH & CAPITALおよびF Ventures。日本が誇る外食QSCAをアフリカに輸出し、アフリカ料理No.1ファストフードチェーンを目指す同社は、調達資金をガーナ国内における多店舗展開体制の構築とセントラルキッチン機能の整備に充当します。

10年でガーナ400店舗、その先のアフリカ全土展開を見据えた挑戦が本格始動します。

シードで3,200万円、引受先2社

株式会社成勢アフリカンフーズは、シードラウンドにおいて総額3,200万円の資金調達を実施したと発表しました。引受先はTRUST SMITH & CAPITALと、F Venturesの2社で、調達手法は第三者割当増資です。

同社は「食の幸せと感動を、アフリカ全土に届ける」をビジョンに掲げ、ガーナ共和国・アクラを拠点としてガーナ料理ファストフードチェーン「KOFIRICE(コフィライス)」を運営しています。

今回調達した資金は、ガーナ国内における多店舗展開体制の構築、およびセントラルキッチン機能の整備に充当されます。

アフリカ料理を主力とする本格的なファストフードチェーンが現地で黎明期にある中、店舗ネットワークの拡大と調理オペレーションの集約・標準化を同時に進めることで、商品力と店舗体験の世界水準化を加速させる狙いです。

F Venturesとの出会いは、同社主催のピッチイベント「TORYUMON」への登壇がきっかけとなり、代表・木原氏の実直な姿勢に共感した投資家との二人三脚が始まりました。

2050年25億人市場と「生活インフラ」化

事業の背景にあるのは、アフリカ大陸が2050年に世界人口の約4分の1にあたる約25億人を抱える、人類史上最大の成長市場になるという構造的な追い風です。

国連の人口推計では、2050年までに世界人口の純増のうち過半がアフリカ大陸から生まれる見通しとされています。

なかでも注目すべきは、ガーナにおいて外食の位置づけが急速に変化している点です。ガーナの都市人口比率は約60%に達し、長時間労働や通勤時間の増加、共働き・核家族化といった都市型ライフスタイルへの移行が、家庭での調理時間を圧迫しています。

さらに、高温多湿な気候により食材の長時間保存や作り置きが難しいこと、日本のような弁当文化が根付いていないこと、ジョロフライスをはじめとするガーナ料理は調理に長時間を要すること、男性が家庭で料理をする文化が浸透していないことなど、構造的要因が重なっています。

これらの結果、外食は一部層の「贅沢」から、都市生活者にとっての「生活インフラ」へと位置づけが変わりつつあります。

一方、供給側ではアフリカ料理を主力とするファストフードチェーンが、味の安定性・商品力・ブランド価値・価格設定といった課題を抱えたままで、需要の急拡大に品質が追いついていない状況です。

同社はこの市場を、日本でいえば牛丼市場で「すき家」や「吉野家」が登場する前の黎明期と位置づけています。

日本のQSCA×小規模店舗で挑む

成勢アフリカンフーズが武器とするのは、日本の外食産業が世界トップレベルに磨き上げたQSCA(Quality/Service/Cleanliness/Atmosphere)です。

同社はこのQSCAをアフリカへ輸出するとともに、日本の「すき家」や「CoCo壱番屋」をモデルとしたコンパクト店舗型のアフリカ料理ファストフードチェーンを展開します。

小規模テナントの活用により、家賃負担を従来型チェーンレストランの約10分の1に抑制し、客単価を現地で日常的に使える水準まで下げながら、同時に高い営業利益率を実現する構えです。

主力ブランド「KOFIRICE」では、ガーナの国民食であるジョロフライス・フライドライスを軸に、現地に馴染みの味というDNAを守りつつ、調理オペレーション・ブランディング・店舗体験をモダンに磨き上げます。

テイクアウト特化の高速オペレーションで、ガーナで最も層の厚い日常需要層を取りに行く価格戦略と、世界水準のQSR体験の両立を目指すモデルです。

1号店は2025年8月にアクラ市内にオープンし、スラム街裏という悪立地にもかかわらず、開業初月から黒字化を達成しました。2026年度中に計5店舗体制への拡大を予定し、ガーナ国内での多店舗展開を本格化させます。

10年で400店舗、雇用と経済へ波及

今後の展望として、同社は10年でガーナ国内に400店舗体制を構築し、アフリカ料理のファストフードチェーンとして圧倒的な地位を築くことを目指します。

その後はアフリカ全土への展開を進め、アフリカ料理でアフリカNo.1の外食チェーンを実現し、日本×アフリカ発の世界に通用する外食ブランドへと成長させていく計画です。

代表取締役の木原淳兵氏は、これまでガーナに計4度渡航し、累計約1年間現地で生活し、ガーナの食を食べ続けてきた経験を背景に、「ガーナの食市場は現地の一般消費者以上に深く理解している」と語ります。

「日本が世界に誇るトップレベルの外食を、世界へ届けたい。安くて、早くて、旨い。洗練された企業努力の結晶である日本の外食は、世界を見渡しても他にない」とし、扱う料理はアフリカ料理ながら、日本が築いてきた外食のノウハウとオペレーションを軸に、現地の人々の生活を本気で豊かにするビジョンを掲げています。

事業のもう一つの柱が、現地への経済的還元です。同社は現地スタッフの雇用創出と現地サプライヤーとの取引拡大を通じて、ガーナおよびアフリカ諸国の雇用と経済の発展に貢献するとしており、調達資金は現地の事業運営・人材育成・サプライチェーン構築に投下されます。

投資家のTRUST SMITH & CAPITAL代表パートナー安藤奨馬氏は、「アフリカで『マクドナルドを超える』と本気で語る木原君に、はじめて会った時からハートを掴まれた」とコメント。F Venturesも「文化の異なる異国での挑戦には困難も多いが、木原さんであれば前向きに乗り越えていけると信じている」と期待を寄せています。

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