
首相官邸で記者会見する高市早苗首相。4月15日代表撮影。REUTERS
[東京 16日 ロイター] – 政府は16日、中東情勢関係閣僚会議を開催し、高市早苗首相は国が感染症対策に備え5億枚備蓄している医療用手袋を5月から5000万枚放出すると表明した。中東情勢の影響で医療物資などの供給不足が懸念されており、流通の目詰まりの解消を図る。この日は自民党の党内会合も開かれ、出席した農林業やトラック・バスの業界団体幹部は現場の窮状を訴え、政府与党にさらなる対応を求めた。
高市首相は、石油関連製品の塗装用シンナーやユニットバスなどの原料についても、「流通の目詰まりは解消しつつある」と説明した。いずれの構成部材もナフサ由来の樹脂・塗料を使用しており、ホルムズ海峡封鎖後に欠品や出荷制限が相次いでいた。
一方、党内会合に出席した全国農業協同組合中央会の関係者は、春の農作業シーズンでトラクターに使う軽油などが不足している事例が散見されると説明。中東情勢の混乱が長期化した場合、農業用資材の高騰によって「農作物の価格高騰だけでなく、全国的な供給の不安定化につながる恐れがある」と訴えた。その上で、資材の確保や優先供給、生産者の経営安定に向けた措置を求めた。
また、食品産業センターは、石油製品ナフサ由来のプラスチック製品について、日本の消費量の約3割が食品用の容器包装に使われていると紹介した上で、ナフサの安定的な確保や買い占め、便乗値上げを防ぐための指導・情報開示を要請した。
全日本トラック協会は、石油販売会社から一部の事業者に対して大口販売の停止や数量制限が通達されたと説明。軽油の安定確保や政府が実施しているガソリン・軽油補助の継続を求めた。日本バス協会は、燃料を使わないEVバスに対する補助金制度や税制優遇による導入促進支援を要望した。
(竹本能文、鬼原民幸 編集:田中志保)
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