2026年03月11日 10時29分
メモ

1991年から35年間にわたりアメリカのマサチューセッツ州で開催されてきたイグノーベル賞の授賞式が、「アメリカへの入国が難しくなっていることへの懸念」を理由に、2026年はスイスのチューリッヒに移転して開催されることが発表されました。2026年9月3日にチューリッヒで開催された後は、奇数年にはヨーロッパの別の都市を巡回する形式をとる予定です。
The Ig Nobel Prize Ceremony Is Moving to Europe (after 35 years in the USA) – Improbable Research
https://improbable.com/2026/03/10/the-ig-nobel-prize-ceremony-is-moving-to-europe-after-35-years-in-the-usa/
Ig Nobels ceremony moves to Europe over security concerns – Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2026/03/ig-nobels-ceremony-moves-to-europe-over-security-concerns/
イグノーベル賞は「人々を笑わせ、それから考えさせる」業績を称えるもので、本物のノーベル賞受賞者が賞を授与するのが特徴。授賞式では観客が紙飛行機を投げたり、スピーチが長すぎると8歳の子どもが「やめて、退屈なの」と言って遮ったり、専門家が自身の研究を24秒間のスピーチとたった7つの言葉で説明する「24/7レクチャー」が行われたりと、変わった催しが行われるのも魅力です。

イグノーベル賞では「一見するとふざけていたり意味不明だったりするようで、考えると意義があって奥が深い研究」が高く評価されます。また、過去にはスパムメール業者に情報伝達学賞を贈ったり、核実験を繰り返すインドとパキスタンの首脳に平和賞を贈ったりと、皮肉を込めた部門賞が用意されたこともあります。2025年度にはシマウマの模様を塗られた牛がアブの攻撃を避けられるかを調査した日本の研究チーム、パスタソースを物理的に研究したチームなどが受賞しました。
「笑わせ、考えさせるユニークな研究」が評価される2025年度(第35回)イグノーベル賞全部門まとめ、日本人は19年連続受賞 – GIGAZINE

本家ノーベル賞の授賞式はスウェーデンで開催されていますが、イグノーベル賞の授賞式は1991年の第1回からアメリカ・マサチューセッツ州で開催されています。しかし、科学雑誌「Improbable Research」の編集者でイグノーベル賞の創設者でもあるマーク・エイブラハムズ氏は、「ここ1年でゲストが安全にアメリカを訪れることができなくなった」と述べ、2026年度(第36回)以降のイグノーベル賞授賞式はヨーロッパで開くことにしたと語っています。

エイブラハムズ氏は、新しい受賞者や国際的なジャーナリストに対し、良心の呵責(かしゃく)からアメリカへの渡航を求めることはできないと説明。実際に2025年度の受賞者10人のうち4人が、アメリカへの渡航を避けるために授賞式への欠席を選択しています。
2026年9月に開催予定の第36回イグノーベル賞授賞式は、スイス連邦工科大学(ETH)やチューリッヒ大学との協力により開催されます。エイブラハムズ氏は、「スイスはアルバート・アインシュタインの物理学や世界経済、鳩時計などの予期せぬ素晴らしいものを育んできた国であり、風変わりな人々やアイデアを再び受け入れてくれる」と評価。スイスでは物理的に山を動かすことは違法であることを踏まえて「チューリッヒ市や各機関が山を急速に動かしてくれた」と、冗談を交えて謝意を示しました。
今後の長期計画では、チューリッヒが隔年(偶数年)でホストを務め、奇数年にはヨーロッパの異なる都市がホストを担当する予定になっています。
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