情報BOX:イラン攻撃の影響は、世界石油供給の約4.5% 最大級のガス埋蔵量

米国とイスラエルは28日、イランへの攻撃を開始した。この攻撃により、中東の石油・ガス生産が支障をきたし、エネルギー施設に損害が生じる可能性がある。写真はイランの製油所。イラク・バスラから2019年9月撮影(2026年 ロイター/Essam Al-Sudani)

[28日 ロイター] – 米国とイスラエルは28日、イランへの攻撃を開始した。この攻撃により、中東の石油・ガス生産が支障をきたし、エネルギー施設に損害が生じる可能性がある。

イランの石油生産、輸出などについてまとめた。

<石油生産>

イランは石油輸出国機構(OPEC)第3位の産油国で世界の石油供給の約4.5%を占める。原油生産量は日量約330万バレル。加えてコンデンセートやその他の液体燃料を日量130万バレル生産する。

イランの生産が停止した場合、サウジアラビア、その他OPEC加盟国が余剰生産能力を活用して増産して補う可能性がある。ただこの余剰生産能力は、約1年前から実施している増産で縮小傾向にあるとアナリストは指摘する。

<インフラ・輸出>

コンサルティング会社FGEによれば、イラン国内の製油所の処理能力は日量260万バレル。

ケプラーによれば、2025年の燃料輸出量は液化石油ガス(LPガス)を含め日量約82万バレルで、24年を若干下回った。

イランの石油・ガス生産施設は南西部の州に集中している。原油の90%はペルシャ湾の小島、ハルク島の積出港から輸出されホルムズ海峡を通過する。

A map of Iranian hydrocarbon infrastructure and key production fields

<イラン産原油の買い手>

中国の民間精製業者が主な買い手だ。米財務省はイラン産原油を購入したとして中国の精製業者数社に制裁を課した。中国は一方的な措置は認めないと反発したが、イラン産原油の購入量は減少している。

一方、イランは米国の攻撃を想定して在庫の保護に動いている。ケプラーが2月27日に発表したデータによると、過去最高の約2億バレルの石油が海上備蓄されている。これは世界の消費量の約2日分に相当する。

イランは長年、制裁を回避するため海上での船舶間の積み替え、原産地変更、衛星のタンカー位置捕捉妨害などを行ってきた。

Source: Kpler

<世界最大級のガス埋蔵量>

イランはペルシャ湾のサウスパースに天然ガス田がある。確認埋蔵量は推定1800兆立方フィートで、世界需要の13年分に相当するとされる。このガス田はカタールとつながっており、カタールではノース・ドームと呼ばれている。

イラン側で生産されるガスは、制裁と技術的制約により、大半は国内向け。ガス輸出国フォーラムのデータによると、24年のガス生産量は2760億立方メートルで、その94%が国内で消費された。

昨年6月のイスラエルの攻撃では、カタールのガス施設から約200キロメートル離れたサウス・パースのフェーズ14の4ユニットが標的となった。

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