福祉支援 ITで広がれ 金沢工大などゲーム開発 知的障害者らが体験

トラック遠隔操作実現に向けた研究成果が生かされた運転ゲームを体験する参加者ら=金沢市下本多町の金沢歌劇座で

 情報技術(IT)を活用し福祉分野の支援の可能性を広げる研究開発の成果を体験できるイベントが6日、金沢市下本多町の金沢歌劇座3階大練習室で開かれた。参加した知的障害者と家族らが、トラックの遠隔操作実現を目指す研究を生かした運転ゲームや、離れた場所にいる仲間とパソコン画面でやりとりできるシステムなどを体験。感想や反応が今後の研究に生かされる。(室木泰彦)

 金沢工業大情報デザイン学部経営情報学科の徳永雄一教授と、東京電機大理工学部の秋山康智(こうじ)教授の各研究室が、福祉サービスなどを展開するGENESIS(金沢市)と連携し初開催。画像と音声を共有できる遠隔協力や、音で歩行者接近に気付ける運転補助、周囲の音を調節し不安な音を遮断したり特定の声を聞きやすくしたりするシステムなど、研究開発途上の最新ITの効果を、知的障害者らにゲーム感覚で試してもらおうと企画した。

 会場には体験装置が並び、クリスマスに向けムードも楽しんでもらおうと白く長いひげと赤い帽子のサンタクロース姿の学生らが待機した。次々と訪れる知的障害者らに助言したり、操作を手伝ったり。離れた場所にいる参加者が胸の前に装着したカメラと集音マイクの映像と音がパソコン画面で確認できる装置では、障害者らが探してほしい物や、物に書かれた数字を確認してほしいと伝え、画面で見えた数字などを打ち込みクリアするゲームを体験した。

 いしかわ特別支援学校中学部2年の高本友心さん(14)は運転ゲームも体験。画面に表示されたトラック運転席の視界の前で、実際のトラックと同じ感触が伝わるハンドルやアクセル、ブレーキなどの操作をこなした。こうしたシステムの体験は初めてといい「スイッチとか難しいところもあったけど、運転は楽しめた」と話した。

 空間音声を調整できる装置で補助係をした金沢工業大4年の江原直(すなお)さん(22)は「参加者が新しい技術に驚き感激してくれる様子が伝わってきた。一方で説明が難しい部分があったり、音響の部分で改善した方がいいと感じたこともあったり、今後の研究に生かしていきたい」と語った。

 今後も毎年開く方針。徳永教授は「初開催なので、これからデータを積み上げたい。参加者の意見や反応を精査し自動運転や音響、遠隔協力などの支援技術向上につなげたい」と話した。10日と12日も午前10時半〜午後3時半に開催。(問)GENESIS 080(1399)7431

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